約 1,378,965 件
https://w.atwiki.jp/himajinnomousou/pages/38.html
その夜以降、カタリナは船の中でポールとゆっくり話す機会は殆どなかった。船上でたまに見かけても、すっかり見張り付きとなってしまったポールはあくせくと仕事をこなしているだけだったからだ。 カタリナはあの夜は殆ど眠れずにポールから聞いたモニカの婚約話のことについて思いをはせていたが、なんにせよ今自分が考えたところで仕方がないことであるという結論に至り、あとは気を紛らわせようと只管読書に集中した。そういう意味ではトーマスから借りた経済書は大いに役に立ってくれた。何せ読解が困難であるので、嫌でも思考をそこに集中せざるを得ないからだ。 逆に園芸書は、どうしても読む気にはなれなかった。否がおうにも、同じく花を育てていたモニカのことを思い出してしまうからだ。 経済書に疲れたらサラから借りた小説に耽り、どこかミカエルと似た意思をもつ主人公たる皇帝たちの物語を読み解いていく。 そうしているうちに船は順調に航海を続け、いよいよ予定通りのツヴァイク到着日となった。 「あれがツヴァイク・・・か」 太陽が南中を少し過ぎたころ、甲板に立ったカタリナは既に視認できるその町並みをゆっくりと眺めていた。彼女自身は一度も訪れたことがない地であるが、モニカの話を聞いたあとではなお一層、カタリナはこの町のことが好きになれそうにはない。 船がゆっくりと進む先には大小さまざまな船が停泊している大きな港が設置されており、それはピドナで抱いた感想と同じく、ミュルスの比ではないものだ。確かに国力面での規模の大きさをうかがわせた。 「いやー、漸く到着だな」 いつの間にやらポールが、カタリナの隣で同じようにツヴァイクの町並みを眺めている。 「あら、もうお仕事は大丈夫なの?」 冷やかすようにカタリナが話しかけると、ポールは冷や汗をたらしながら肩をすくめた。 「あぁ、船の中での仕事は大体終わってるけど・・・これから最後の荷下ろしが待ってるのさ。出来ることなら、上陸と同時に逃げ出したいくらいだ」 いつもの調子で軽口を叩くポールに笑い返しながら、カタリナは気を引き締めるように頬を叩いた。今は兎に角、マスカレイドを探すことに集中しなければいけない。いくら彼女がモニカのことに思いをはせたところで、そもそもカタリナは今のままではロアーヌに帰ることすらできないのだから。 「そういや肝心なことを聞いていなかったけれど、カタリナさんさ」 思い出したように、ポールが口を開く。それに反応してカタリナが向き直ると、ポールはぽりぽりと頬を書きながら続けた。 「いや、これからどこに行くのかな、って」 「あぁ、そのこと・・・」 そこでカタリナは、ふと思い至った。自分の行程はランスまでだが、その道のりはなにせ未経験の土地だ。途中までとはいえこのポールも帰郷の途中であるのなら、道案内くらいは頼んだらしてくれるかもしれないと思ったのだ。 「ねぇポール。貴方こそツヴァイクについたら、すぐにキドラントに戻るの?」 「ん・・・、あぁ、そのつもりだよ」 逆に聞き返されたことに疑問符を浮かべながらも、ポールは素直に応えてきた。思ったとおりである。 「そう・・・なら、私もそのキドラントまで、案内してくれないかしら。私の目的地はランスなのだけれど、キドラントから北海を渡って行こうと思っているの」 カタリナがそう言うと、何故かポールは瞳を輝かせた。 「お、本当かい!もちろんさ。是非ともやらせてくれよ」 すっかり喜んだ様子のポールには逆に面食らわされたカタリナだったが、まぁとにかくこれで水先案内人をタダで雇えたのだからよしと思うことにした。 「もう既に昼過ぎだから、一泊して明日の朝出発でいいかしら?」 「おうさ。じゃあそうだな・・・港に下りて適当に宿をとったら、メインストリートにあるツヴァイクホールっていうパブで待っていてくれよ。俺も荷下ろしが終わったらすぐ行くからさ」 「わかったわ。じゃあそこで落ち合いましょう。お仕事、頑張ってね」 そろそろポールお抱えの見張りの視線が厳しくなるころだ。案の定カタリナが後ろを振り向くと、例の筋肉質の船員がばっちりとこちらのほうを観察している。それにポールも気が付いたのかとてもいやそうな顔をするが、しずしずとそちらに向かって歩き出した。 「あぁやだやだ・・・。じゃあ、あとでな!」 「ええ、まってるわよ」 船室の中へ入っていくポールを見送ったあと、カタリナは港に停泊するまで、甲板からツヴァイクの町並みを見続けていた。 港に船が止まってすぐ町に降り立ったカタリナは、メインストリートを少し眺めてからすぐに裏道に回って安宿を取った。ポールに指定されたツヴァイクホールというパブはこの時点で既に確認済みだ。 だがカタリナはすぐさまそこには向かわずに、街中を探索することにした。カタリナが乗ってきた船は割りと大型船なので、ポールの仕事はしばらくかかるだろう。それを見越してのことだ。 時間はかなり有り余っていた。とりあえずは途中で折れ曲がったメインストリートに戻り、露店を冷やかしつつ北を目指すことにする。 すると早速かなり作りのしっかりした武具店を発見し、意気揚々と物色しに入ってみた。 (ふぅん・・・これが本場のツヴァイハンダーか・・・) 展示されていた大剣を手に取り、縦にしたり横にしたりしながら、品定めをする。この剣はツヴァイク地方の特産の両手剣だ。扱う武器では一番大剣を愛用しているカタリナとしては、この街である意味一番気になる品といえた。 (ちょっと重さが私には合わないかしら・・・確かに他の町で扱っているものより、いい品なんだけどね) カタリナは腰に大小の剣と、そして背中にしっかりと大剣を背負っている。すべてノーラお手製のカタリナカスタムだ。頂戴してからどれも練習で多少扱ってみたが、驚くほど自分の手にフィットする代物ばかりだった。 リハビリがてらレオナルド工房の前の広場でノーラに色々な剣を渡されながら素振りを繰り返し、結果をみたノーラが作成したものである。 「おや、女性の戦士さんですか、珍しいですね。どうですか、うちのそいつは。いい品でしょう。ツヴァイク武器工房が世界に誇る一品ですよ」 ツヴァイハンダーの品定めをしていると、店主が話しかけてきた。それににこやかに応えながらも、ツヴァイハンダーを元の棚に立てかける。 「ええ、いい品ね。でも私には少し重いみたい。また寄らせてもらうわ」 セールストークを展開される前に早々に退散することにしたカタリナは、続けてメインストリートを北上し、しばらくして巨大な建物の前まで来た。 (これが・・・・例のコロシアムってやつね) その建物の前は、大勢の人で大そうな賑やかさだった。なんでも話に聞く限りでは領主たるツヴァイク公が観賞する以外に、日夜剣闘士たちの勝敗をめぐって住民の多くがギャンブルに興じているのだという。 (ふん・・・・暢気なものよね・・・・) コロシアムの前に集まる人々を冷めた目つきで流し見たカタリナは、気分が悪くなる前に立ち去ることにした。気が付けば、もう結構な時間が経っている。流石に北方の最大都市だけあって、歩き回るだけでも苦労するほど大きな町だ。しかし、まだ他にも行っていない場所は多いが、これ以上カタリナはこの町を歩き回る気にはなれなかった。 まだ流石に早いとは思ったが、先にポールとの待ち合わせ場所に向かうことにする。 そうと決めたら、さっさと来た道を戻っていく。すると数分後には、昼間っから騒がしさが外まで漏れ聞こえてくるそのパブにたどり着いた。入り口をくぐると、多くの人がその場で談笑している。 「へぇ、あの剣闘士が勝ったのか!」 「地獄の壁はやっぱ強すぎるぜ」 「さっきの勝負は熱かったな!」 漏れ聞こえてくる会話の内容は、カタリナにとってはどれもくだらないものばかりだ。カタリナはそんな客達の間をすり抜け、幸いにして席が空いていたカウンターへと腰掛ける。とりあえず気を紛らわせるために、折角だからと思いビールをオーダーして飲み始めた。 流石はビールの本場、ツヴァイクである。この味はロアーヌでもピドナでも一度も味わったことがない。精々ピドナに持ち帰る土産話としてはこれくらいだろうか、と思いながらしばらくは色々な種類のビールが書かれたメニューを眺める。 しかしそれも長くは続かず早々にして手持ち無沙汰になったカタリナは、メニューから目を放すと今度はそれとなく周囲を観察した。 相変わらずの喧騒を繰り返す飲み客に、あとは幾人か、武装をしたものもいる。コロシアムの剣闘士は囚人以外に一般でも受け付けているらしく、それ目的で流れてきた者たちだろう。 その身に携えている得物は種類も様々だが、見るからに粗悪品と思われるものが多い。良い武器を見慣れているカタリナからすれば、自分ならあんな武器で戦いたくはないと思うものばかりだった。 中には弓を携えたものもおり、これはコロシアムの剣闘士ではなくこの周辺地域の狩りで生計を立てているハンターだろうか。 そうしてテーブル席を見終えて次にふと自分の近くのカウンター席に目を向けると、そこには自分と同じように周囲の喧騒と人種の違いに引っ込んできたと思われる商人風情の男が二人で座っていた。喧騒の中とはいえ、近い席にいるのでその二人の話はカタリナにまで聞こえてくる。時間をもてあましていたカタリナは、何気なくその内容に耳を傾けた。 「お前のほうは、北からはどうだ?」 「それがな・・・入ってきても、雀の涙さ。参ったな・・・・五日後までには武器工房に500キロ分の鉄を入れなきゃいけないんだが・・・」 「こっちもさ・・・。今日も工芸品と楽器の買い付けが遅いって宮廷のお役人にグチグチいわれたが、職人から反応がないんじゃあ俺だってお手上げだっつーのに・・・」 カタリナの耳に飛び込んできたのは、どうやら景気の悪い話のようだった。だが周囲のくだらない喧騒よりはまだカンパニー社長としての一面も持つカタリナとしては興味がある話だったので、もう少し耳を傾けることにする。 「お前、自前じゃ間に合わないってんで親元のキャラバンに頼んだんだろ?昨日帰ってくるの見たけど、そん時キャラバンの連中はなんていってたんだ?」 「あぁ・・・なんだか薄気味の悪い話だったぜ。なんでも採掘現場近くの洞窟に性質の悪い魔物が住み着いて、いけにえを要求しているんだそうだ。町も流石にそれを抱えたままじゃ生産も成り立たなくて暮らしが出来ないってんで、それに応じるらしい」 なにやら、話の雲行きが怪しくなってきた。カタリナは注意深く、感づかれないようにさりげなくグラスを傾けながら聞き入る。 「マジかよ・・・。道理でノエルさんヴィルジニーさんも、仕事に手がつかないわけだな・・・」 「ちっさなとこだからな、顔見知りの中からいけにえを出すなんていったら、その辺はナイーブにもなるだろ。ヴィルジニーさんなら俺も顔見知りだが、やっぱかなり気にしてるっぽいぜ」 商人達が話しているのは、職人の名前だろう。ノエルという名前はカタリナも多少耳にしたことがあった。たしか、楽器職人として有名な人物だ。カタリナが楽を奏でるときに愛用していたリュートも、確かその職人の作だった。 「いけにえったって、一体誰が・・・?まさかあそこの強欲町長か?」 「まさか。ありゃ最後の一人まで生き続けるクチだろ。んでいけにえに選ばれたのなんだが・・・それがな、どうやらニーナちゃんらしい」 ニーナ、という言葉を聞いた瞬間、がたん、と椅子を跳ね除けながらカタリナが立ち上がった。 (ニーナって確か、ポールのガールフレンドの名前!・・北の町って、キドラントのこと?・・・いけにえということは、それってつまり、ニーナちゃんの命が危険であるってこと・・・・?) 一瞬の間に、カタリナの脳内で色々な情報が飛び回る。ニーナという名前は別段珍しい名前でもないので普段ならば別人であることも考えられるが、ここから北の町のニーナとなれば、流石に別人とは考え難い。 突然のことに商人二人はカタリナに振り向き、周囲のテーブル客も同じくカタリナに目を向ける。だが、カタリナはそんなことを気にするつもりなどは毛頭なく、商人達に詰め寄った。 「貴方達が言っているのって、キドラントのニーナちゃん!?」 カタリナの剣幕に圧されたのか驚いて閉口していた商人だったが、数秒待って漸く口を開いた。 「あ、あぁ。そうだが・・・あんた、ニーナちゃんを知ってるのか?」 聴いた瞬間、カタリナはビール代をカウンターに叩きつけてホールを飛び出していった。後に残された商人と会話を断ち切られた客たちは、呆然とそれを見送るのみであった。 港まで一気に駆け抜けたカタリナは、自分が乗っていた船を見つけると足を止めずに駆け寄った。あの規模の客船の荷降ろしと倉庫運びはそんなに短時間で終わる作業ではないだろうから、まだポールはこの近くにいるはずだ。 (昨日ここにたどり着いたキャラバンの話でいけにえの話が出たってことは、おおよその距離から考えればそれが馬車でも少なくともそこから二日は前の話のはず・・・。最短でも、もう既に三日が経っている・・・) 駆けながら、小耳に挟んだだけの情報から状況を整理していく。 すぐにあの酒場を出たのは、失策だったか。ひょっとしたら、もうすこしくらいは商人から情報を引き出せたかもしれない。だが今となってはもう引き返すわけにも行かないし、そもそも今の時点で最悪の結果は考えたくない。ここは無事を祈って一秒でも早く、キドラントに辿り着くのが先決だ。 (性質の悪い魔物っていうのがいつ現れたのかは分からないけれど、この事態が現在の仕入れに影響しているのならば、まだここ最近の話のはず・・・。そしてあの口ぶりからしたら、三日前の時点では恐らくまだニーナちゃんは無事であると考えられる・・・・。馬車・・・・いえ、このくらいの町ならお抱えの牧場が何処かにあるはずだから馬を買って止まらず走れば、一日でつけるか・・・?) 船にたどり着いて周辺を見渡し、忙しなく動き回る作業員の群れを見つけるとカタリナはそこに駆け寄った。程なくしてその中に、面倒くさそうな表情で作業を続けるポールの姿を捉える。 駆け寄ってくるカタリナを見つけると、ポールはきょとんとした表情で向き直った。 「お?どうしたんだ?さては俺を待ち切れ・・・」 「今すぐキドラントにいくわよ!ニーナちゃんが危ない!」 ポールの言葉を遮り、叫ぶようにしてカタリナが言った。その言葉を聞いた瞬間に、ポールは手にしていた箱を落とす。地面に落ちたそれは内部で何かが砕ける音がしたが、今のポールにはそんなことを気にしている余裕はなかった。 「ど・・・どういうことだ?」 「あまり詳しいことは私にも分からない。でも兎に角、ニーナちゃんが危険な状況にあるらしいの!行くわよ!」 そういうとカタリナは、ポールの手をとって駆け出した。ポールも最初は引っ張られるような格好だったが、すぐにしっかりと自分で足を動かし始める。背後からお目付け役の船員の怒声が聞こえてくるが、それに構っている余裕などはなかった。 「ポール、ここの牧場はどこ!?馬が売っているだろうから、それを買って走り抜けるわよ!」 「牧場はこっちだ!馬は買わずとも経営者とは知り合いだから、話せば貸してもらえるはずだ!」 それまでは手を引かれていたポールだったが、今度は先行して走り出す。 街を東へと抜けながら、簡単にカタリナが聞き及んだ情報をポールに話して聞かせた。走りながらそれを聞いていたポールはみるみるうちに顔面が蒼白になり、次には歯を食いしばりながらこの事態を呪うように呪詛を吐く。だが今は、悠長に嘆いている場合ではない。 しばらく走っていくと、やがて道の先に牧場が見えてきた。 「私、宿においてきた荷物をとってくるわ。ポールは馬が用意できたら町の出口でまってて。すぐいくから。東の出口でいい?」 「いや、北にまわろう!ほぼ直線で山間を抜ける道を知っているから、そこをいく。北門で合流だ」 ポールの言葉に頷くと、カタリナは先にとっておいた宿へと駆け戻っていった。狭い路地裏を駆け抜け、慣れない町ながらも方向感覚と見覚えのある景色だけを頼りに、宿へと戻っていく。 宿のキャンセル料を払って自室においていた荷物を手に取ると、カタリナは周囲の看板を頼りに急いで町の北門へと向かった。 先ほどまでは青かった空が、今はもうオレンジに染め上げられている。この分だと後1,2時間もしないうちに、空は闇色へと姿を変えるだろう。焦る気持ちと裏腹に、時間は刻一刻と過ぎていた。 (いけにえを要求する魔物だなんて、今まで聞いたこともない・・・。確かに魔物は基本的に雑食だし人間も襲うけれど、そもそも人里は避けて生活していることが殆どだし・・・。私がロアーヌ宮廷で遭遇したような、知性を持った魔物なの・・・?) そんなことを考えながら北門にたどり着くと、そこには既にポールが馬を二頭従えてまっていた。 「ごめん、待たせたわ」 「気にすんな。いこうぜ」 すぐに門を潜ると、カタリナは荷を馬に括りつけ始めた。抱えながらではとてもじゃないが早くは走れないからだ。 「ほい、これ」 丁度荷物を括りつけ終えたカタリナは、ポールが投げてよこしたものを慌てて受け取る。それは、毛皮で作られたベストだった。品が新しいところを見ると、カタリナが宿に戻っている間に買い求めたのだろう。 「このあたりの夜は結構冷えるぜ。温暖なヨルド海の東西沿岸とはワケが違う。鎧の下に着込むといい」 今はそんな時間も惜しいところだったが、土地の知識がないカタリナはポールに従うことにした。レザー製のアーマーを外すと、もそもそとベストを着込む。若干ごわごわとした感触があるが、確かに保温性は抜群のようだ。 「うぅん・・・カタリナさんは鎧もドレスも似合うけど、普段着も見てみたいな」 その一連の様子を見ながら、ポールが軽口をたたく。こんな時であるというのにその様子であるので一瞬むっとしたカタリナだったが、その表情には自分以上に焦りの様子が現れているのを感じ取ったので、それを咎めることはしなかった。恐らく、この男なりに平静を保つための手段なのだろう。軟派なようで、意外と不器用な男のようだ。 「・・・そうね、少なくとも貴方が正装するよりはマシに見えるかもね!」 そういいながら再度アーマーを着用し終えたカタリナは、馬に跨った。 「先行して頂戴。ついていくわ」 「あぁ。飛ばすぜ・・・!」 馬術には長けているのだろうか、慣れた手つきでポールは手綱を引き上げ、馬の横っ腹を蹴り上げる。拍車をかけられて一気に駆け出したポールの馬を目で追いながら、カタリナもすぐさまそれについていった。 前へ 次へ 第二章・目次
https://w.atwiki.jp/fairdol/pages/170.html
動物たちと遊ぼう! ん?目線が気になるけど…どうしたの? (普) ウサギ見に行くの?行ってらっしゃい。 (普) …一緒に見に行きたいの?…まぁ、いいけどさ (愛) へぇ~実物触るのは初めてかも? (喜) ねぇ、あれってリスじゃない?…ちゃんと見てよ、ほら! (喜) すれ違い 色んな場所見て回るのも楽しいよ (喜) -- (名無しさん) 2013-05-10 15 14 50 秘密基地を作ろう! そこ掴まないと崩れちゃうでしょ…ってほら、言ってるそばから! (驚) さてと、さっさと作っちゃうよ? (普) もしかしてあれ…落とし穴作ってない? (ジ) すれ違い せっかく来たんだからお互い楽しもうよ (喜) -- (名無しさん) 2013-05-10 15 15 51 お花を摘もう! アンタこのお花が好きなの?ふーん… (普) おっ!いいじゃん…アンタもやればできるじゃん (喜) 花かんむり?アンタ作り方知らないの?仕方ないなぁー… (ジ) このお花アタシに似てると思わない?可憐なところが (ジ) -- (名無しさん) 2013-05-15 19 19 25 すれ違い アタシ、秘密の場所見つけたんだ。いいでしょ? -- (名無しさん) 2013-05-15 19 20 18 ↑表情は (安) です。 -- (名無しさん) 2013-05-15 19 21 18 福引を楽しもう! 何か当たりが出る裏ワザとかないのかなー (ジ) 【自オーナー】、一等当ててよね。…早く回してよー (喜) え?マジ?これで引けなかったら許さないからね!! (ツン) アンタってクジ運ある?自信があるなら引いてみてよ (普) -- (名無しさん) 2013-05-16 11 46 15 子供たちについて行こう! 秘密の場所ねぇ…まぁ興味がなくもないけど (普) 【自オーナー】、前の子供たち見失わないでよ? (普) -- (名無しさん) 2013-05-16 11 48 22 フルーツ施設に行こう! はいはい、ちゃんとついてってますよ… (ジ) フルーツねぇ…取り放題だからって闇雲に取り過ぎるのも駄目じゃない? (普) アンタのチョイスじゃないよね?誰の入れ知恵? (喜) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 34 49 施設の人に説明を聞こう! へぇ~集めると衣装が…ね… (普) 説明はもういいからさ、さっさと回ろうよ (普) はー…アタシ、あっちで休んでるから説明聞いといて (普) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 35 12 どこからまわろう? ほら、さっさと集めて帰るよ? (喜) このあたり大きそうな実がいっぱいで良さげじゃない? (喜) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 35 32 小さな果実を収穫しよう! へぇ~こうやって自分で取るのは新鮮かも… (喜) もっとテキパキ集めなよ!ホラ、アタシが見本みせてあげる (安) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 35 50 大きな果実を収穫しよう! こんなに大きいの初めて見たかも… (驚) はいはい、言われなくてもわかってますよ (ジ) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 36 07 少し休憩しよう 慣れてくると少し楽しいかも… (愛) 休憩の間に少し時間つぶししてこようかな… (普) ……のど乾いた (ジ) これで衣装には届くのかな? (普) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 36 31 ラストスパート! アンタ意外と頑張るねー、アタシも負けてないけどさ (普) ちょっと、もっと早く摘まないと他の人たちに取られるじゃん! (怒) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 36 50 収穫した果物を届けよう! これでよし…、と。案外楽しかったかも (笑) これで色々なものがもらえるんじゃない? (喜) はぁ…すごく体力を使ったよ…アンタは平気なの? (ジ) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 37 02 お家に帰ろう! 今度行くときは【自オーナー】にもっと頑張ってもらうから (喜) え?まぁ、また…機会があったらね? (照) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 37 20 フルーツを食べよう! だーかーらーっ、機会があったら行ってあげるって言ってるでしょ? (ツン) 次行くときは、ラクに持ち帰れる方法を用意しておく必要があるね (安) ほら、さっさと食べようよ (普) さてと、まずはこれから切っちゃっていい? (喜) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 37 36 すれ違い なんだ、【相手フェアドル】もここに来てたんだ (普) カートが家まで続いていれば楽だったのに… (安) -- (名無しさん) 2013-05-16 23 38 12 ラストスパート! ん?こっち見てる暇あったらどんどん取る!! (ジ) お家に帰ろう! 帰るまでの距離よりもこの荷物が辛いわ… (ジ) -- (名無しさん) 2013-05-29 11 09 58 <雨の日のおでかけイベント> 部屋遊びをしよう おんなじゲームやってるのも飽きてきたかも… (普) てるてる坊主を作ろう ……まだ晴れないの? (普) そんなに作ったの!?…いやいや、速さじゃなくて…そこまで量いらないでしょって… (驚) うん。改めて並べてみると良く出来てるね。特にアタシのが (安) おでかけに誘おう よりによってこんな日に出かけなくてもいいと思うんだけど? (普) 傘は【オーナー】が持ってよね (喜) 何か買ってくれるの?だったらいいよ (喜) お店を探そう あんまり遠くは嫌だからね? (泣) 傘に雨粒が当たる音っていいよね (喜) 道路側は【オーナー】に任せるね (安) 雨天グッズを買おう アンタも何か買うの?…その傘今のと変わらないじゃん。変えようよ (普) ふーん、結構いいもの売ってるね (喜) 迷うなぁ…アレか…コレか…え?全部買っていいって?…ホントに? (驚) すれ違い アタシはそうは思わないかな~ (ジ) そうだね。確かにそれはそうかも (普) 【相手フェアドル】も外に?まぁ、こんなのもたまにはいいよね (安) -- (名無しさん) 2013-05-31 18 13 28 部屋遊びをしよう 雨続きで【オーナー】までジメジメしてるような (ジ) かたつむりを探そう もしかしてアンタ、あんまりこういうの得意じゃないとか? (普) 思ったより小さいかな。どこにいるのかって…ほら、こことかにいるよ (安) 捕まえるのはかわいそうだからやめとこうよ… (泣) かえるを探そう ちょっとそこのベンチで休憩してていい? (普) そんなに必死になって探すほど…? (ジ) 【オーナー】、かえるが何を食べるか知ってる? (喜) あじさいを観察しよう アタシはこの色が好きかなー (喜) 毒?別に触ってマズいって事じゃないんなら大丈夫じゃない? (ジ) 水たまりで遊ぼう あんまりないから、あっち行かない? (普) あ!…もー、水こっちにかけないでよー! (怒) 拘りがあるのかって?当たり前じゃん!アタシくらいになるとどれがいいのか分かるんだから (安) アンタもやってみたら?意外と楽しいよ (喜) 空の虹を見上げよう 皆空を見上げてるね。まぁ、これだけキレイな虹じゃあ仕方ないかな (喜) 虹も見れたし、なんやかんやでお出かけして良かったかな (瞑) どこで見ても虹の色って変わらないのかな? (普) すれ違い どう?雨の日は楽しめてる? (喜) -- (名無しさん) 2013-06-02 23 55 21
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4172.html
『ちびちゃんたち!! きょうもおうたをうたって、いっぱいおかねをもらおうね!!』 『『『『『もりゃおうね!!』』』』』 夏も終わり、秋もすっかり深まったこの頃、ゆっくりれいむの一家が、橋の上のど真ん中に陣取り、汚い藁を敷いて座っていた。 この時期、ゆっくりたちは越冬に向けて、巣を作ったり、餌をため込んだりする大切な時期だ。 しかし、一家はそんなことをする様子は全くない。 いや、そんな時代遅れなことをする必要はなかったのだ。 最近、どこで覚えてきたのか、歌を歌って人間から金を貰おうとするゆっくりが増えている。 この一家もその類だった。 金をもらい、里で買い物をして、冬を越す。最先端ゆっくりの越冬方法だ。 成功率は限りなく低いが…… 『きょうも、きにょうのにんげんしゃんみたいに、いっぱいおかにぇをくりぇりゅかな?』 『きっといっぱいくれるよ!! きょうおかねをもらったら、にんげんさんのおみせでおいしいものをいっぱいかおうね!!』 目の前には、これまたボロボロで中身が少し残った缶詰が置いてあり、中には丸い金属がいくつも入っている。 ゆっくりの歌に金を払うアホがいるのかと思うかもしれないが、実はこれ、金でもなんでもない。 「一まん円」と手書きで書かれたビンの王冠が、大量に入っているのだ。 昨日、この橋を通った子供たちが、一家をからかって入れたものだ。 一家はすっかりこれを本物の金を勘違いし、調子に乗って、『ゆーゆーゆー……』と発声練習に余念がない 喉もないくせに、スター気取りとは生意気なことである。結局、人間の真似ごとをしていたいだけなのだろう。 この時点で、一家の命運は決まったようなものだ。 しかし、一家がそんな事に気付くはずはなく、一生懸命下手な発声練習に精を出していると、こっちに向かってくる男が目に付いた。 ロングコートを羽織った若い男だ。おそらくまだ二十代だろう。 季節は冬ではないが、今日は冷たい北風が吹きすさび、心底身にしみる。男はコートの襟をたて、体を縮めて歩いていた。 一家は思った。あの男は、きっと橋を渡るに違いないと。 『みんな!! にんげんさんがきたよ!! ゆっくりがんばって、おうたをうたおうね!!』 子供たちにはっぱを掛け、一列に整列させる。 男のほうに注目すると、案の定、男はこの橋を渡るようだ。 後数メートル。れいむたちは、男が目の前に来ると、一斉に男に声を掛けた……が、 『おじさん!! ゆっくりれいむたちのおうたをきいていってね!!』「待って!! 虐男さん!!」 れいむたちの声に、女性の声が重なった。 れいむたちは、どこから聞こえてきたのだと、辺りを見回した。 すると、男が歩いてきた方向から、一人の女性が走ってきた。 どうやら、れいむたちの声を遮ったのは、この女の人らしい。 男はちょうどれいむ一家の前で立ち止まると、女性のほうを振り返った。 「はぁはぁ……虐男さん。お願い、話を聞いて!!」 女は男の元まで走ってくる。 男と違い薄着に軽く外着を引っ掛けてきただけだが、よほど急いで来たのか、この寒い中うっすら汗をかいている。 膝に手を付いて荒い息を整えると、ようやく落ち着いてきたのか男に言葉を掛けようとした。 しかし、それが面白くないのはれいむ一家だ。 この男に先に目をつけたのは自分たちなのだ。 この女は、きっと自分たちより先に、この男に歌を聞かせようという魂胆に違いない。 途中から割り込んできて、お客を横取りするなんてマナー違反である。れいむは女に文句を言った。 『おねえさん!! れいむたちが、さいしょにおうたをうたうんだよ!! ゆっくりじゅんばんをまもってね!!』 一家は頬を膨らましている。 しかし、女はそんなれいむを無視し……というか、気付いていないのか、目もくれない。 ひたすら男の顔だけを見続けていた。 男も、そんな女の目を真摯に見つめている。 「愛で子さん……なぜここに来たんだ」 「なぜって……あなたを追って来たに決まってるでしょ!! 話も聞かずに出ていくなんて!!」 『おねえさん!! ゆっくりれいむをむししないでね!!』 「話ならもう終わっただろ。所詮、僕と君とは永遠に結ばれない運命だったのさ」 「そんな……なんで!! なんでそんなこと言うの!!」 『むししないでねっていってるでしょ!! ゆっくりきこえないの!?』 れいむがどんなに叫んでも、女の耳には届かなかった。 「所詮、僕はゆっくり虐待お兄さん。そして君はゆっくり愛でお姉さん。どうすればつり合うというんだ」 「……確かに私は愛でお姉さんで、あなたは虐待お兄さん。本来なら、決して相容れない存在……」 『もういいよ!! ちびちゃんたち、こんなおみみのきこえないおねえさんはむしして、おじさんにおうたをきかせようね!!』 れいむは業を煮やし、遂には女を無視して男に歌を聞かせるという、強行手段に出ることにした。 子ゆっくりたちを向いて、『せいの…』と小声で合図を取り始める。 「そうだ、だから……」 「でも!! でも、例え立場は違っても、私たちは愛し合っていた。それは紛れもない事実よ!!」 『ゆ〜ゆゆ〜〜ゆ〜ゆ〜ゆっくりしていってね〜〜〜♪』 「……んん……それは……」 「それとも、愛し合っていたと思っていたのは私だけ? 私が一方的にあなたを想っていただけなの? すべて私の独りよがりの恋だったの?」 『おじさん!! れいむたちのおうた、じょうずだったでしょ!! ゆっくりおかねをちょうだいね!!』 『『『『『ちょうだいね!!!!!』』』』』 歌とも言えぬ様な短い歌も終わり、一家は男に金をせびる。 「それは違う!! 僕も君を心底愛していた!! 絶対だ!! 博霊の神に誓う!!」 「だったら……なんで!!」 『おじさん!! れいむたちはおかねをちょうだいっていってるんだよ!! ゆっくりはやくおかねをここにいれてね!!』 「愛で子さん。さっきも言ったけど、僕は虐待お兄さんなんだよ」 「ええ……聞いたわ」 『おじさんまでれいむたちをむししないでね!! おうたをきいたんだから、おかねをいれないといけないんだよ!!』 「僕はそれを隠していたんだ、自分可愛さにね……そして、君も僕に隠していただろ、自分が愛でお姉さんであることを」 「虐男さん……」 『ゆゆっ!! おじさんたち、もっとおうたをうたってほしいんだね!! ゆっくりりかいしたよ!! きょうはとくべつに、もういっかいおうたをうたってあげるね!!』 れいむは、男が缶にお金を入れてくれないのは、歌があまりにも短すぎるからだと考えた。 男が自分たちの話を聞いていないなどとは、露ほども考えていない。 子ゆっくりたちに向かって、『もういっかいうたうよ』と言って、再度合図を送る。 「体が疼いて仕方がないんだ。ゆっくりを虐待しろってね。これは僕のDNAに刻まれた本能なんだ」 「そんな……そんなのって!!」 『ゆっくり〜〜ゆっくり〜〜ゆ〜っく〜〜り♪』 「呪いみたいなものさ。永遠に解けることのない呪いの鎖。この鎖が解けるとき、それは即ち僕が死ぬときだ。だから……僕は君といっしょにはいられない」 「う……うう……ぎゃ、虐男さん……」 『ゆんゆんゆんゆん♪ ゆ〜んゆん♪ ゆっくりしていってね〜〜〜♪♪』 「こんな僕の為に泣かないでくれ。自分から去っておいてなんだが、君は本当に素敵な女性だ。僕がいなくても、すぐに素敵な恋人が出来るさ」 「いやよ!! わたしは虐男さん以外の男性なんて!!」 『おじさん!! これでいいでしょ!! ゆっくりおかねをおいていってね!!』 「あまり僕を困らせないでくれ。新しい恋人が出来れば、僕のことなんてすぐに忘れられるさ。その時になって、昔こんな素敵な自分を振った馬鹿な男がいたなと、物笑いの種にでもしてくれ」 「いやよ!! いやいやいやいや……」 『いやいやじゃないよ!! おねえさんはゆっくりだまっててね!! おじさんのおかねはれいむたちのものだよ!! ゆっくりおかねをくれないといけないんだよ!!』 「愛で子さん……最後に僕の我儘を聞いてほしい。抱き締めさせてくれないか?」 「虐男さん……」 『わかったよ、おじさん!! いまおかねをはらえば、とくべつにかわいいれいむたちをだっこさせてあげるよ!! こんなちゃんす、もうないよ!!』 男はそう言うと、人目を憚ることなく、女を力いっぱい抱きしめた。 これが最後の我儘だと言わんばかりに…… 女も男の抱擁に応え、男の大きな背中に腕をまわした。 男の胸元に顔を埋め、涙を流し続ける。涙で顔はグシャグシャだが、そんなのお構いなしだ。 『ゆぅ……おじさんがおかねをはらってくれないのは、じゃまなおねえさんのせいだよ!!』 「ゆっくりなんて、存在しなければ良かったのに……」 『おねえさんなんて、いなければよかったのに!! ぷんぷん!!』 男の胸の中で、女がポツリと漏らす。 ゆっくりが居なければ、自分たちは愛でお姉さんにも、虐待お兄さんにもならなかった。 一生彼といっしょにいることが出来た。 すべてゆっくりがいたから、自分たちはこうなったのだ。 女はゆっくりという生物に、今初めて強い怒りを覚えた。 しかし、女を抱きしめたまま、男は首を横に振る。 「そんなこと言うもんじゃないよ、愛で子さん」 「でも!! でもっ!!!」 『ゆっ!? もしかしておじさん、おかねをもってないの?』 れいむの餡子脳に、ふとその考えが浮かんだ。 自分たちの素晴らしい歌を聞いてお金を入れてくれない人間などいる筈がない。 昨日の子供たちは、自分たちのあまりの美声に、お金の中で一番高い「一まん円」コインを、大量に投下してくれた。 子供ですら大金を払ってでも聞きたくなるような歌なのだ。 おそらくこの男はお金を持っていない。しかし、れいむたちの歌は聴きたい。そこで無銭視聴をすることにしたのだろう。 金を払わないのは業腹であるが、ファンは一人でも大切にするべきである。ここは「あーてぃすと」として、太っ腹なところを見せるべきだろう。 「僕たちが今あるのは、すべてゆっくりのおかげだということを忘れてはいけないよ。 ゆっくりが存在しなければ、僕はただの貧乏農家の長男として生を終えていたはずさ。君だって一介の里娘で終わっていただろう。 しかし、ゆっくりのおかげで、僕は虐待製品の製造・販売を一手に握るブリーングオブスローリー・カンパニーの代表に、君はゆっくりんピース代表の娘になれたんじゃないか。 ゆっくりなしには、今の豊かな生活はあり得なかったんだよ」 「そうだけど……でも!!」 『おじさん、びんぼうさんなんだね……ゆっくりかわいそうだね』 「それに、もしゆっくりが居なければ、そもそも僕たちは出会ってすらいなかったんだ」 「そ、それは……」 女も口を濁す。 男と女。立場が正反対の二人が出会ったのは、正しく偶然の賜物であった。 男は虐待するためのゆっくりを探しに、女はゆっくりんピースの一員として、ゆっくりが本当にゆっくり出来ているかを調査するため、森に来ていた。 しかし、突然予測にない大雨が降り、雨をやり過ごすため手近の洞窟に入ったとき、偶然にも二人は出会った。 初め、二人は互いの素性を隠しあっていた。 虐待をする男はある意味当然だが、ゆっくりを愛でる人間も、その道を理解できない人には気持ち悪く映ることがある。 特に農家のなどのゆっくりを毛嫌いしている人間には、ゆっくりを愛でるゆっくりんピースを敵視している者さえいるのだ。 そのため、二人は素性を隠したまま、薄暗い洞窟の中で、雨がやむのをひたすら待ち続けた。 二人の恋の始まりはそこからだった。 最初は薄暗く恐怖を演出する洞窟という環境に、つり橋効果が働いただけかもしれない。 しかし、暇を持て余し会話を交わしているうちに、二人はいつの間にかすっかり意気投合していた。 そして、無事に山を降りた後も素性を隠して何度か会っていくうちに、いつしかそれは本物の恋心に変わっていった。 二人は将来を誓い合う仲になっていった。 しかし、今日男が女の家に行って、すべてが壊れた。 男は自分が虐待お兄さんであることを告白する気はなかった。 一介の平凡な会社社長であることだけを伝え、もし会社のことを聞かれた時のことも考え、ダミー会社まで作っていた。 それほどまでに、男は女のことを愛していたのである。 しかし不運だったのは、女の家事情が特殊だったと言うことである。 女はこれまで実家で家事手伝いをしていると言っていた。それ自体に嘘はない……が、 「ゆっくりんピース代表の娘」 それが、女のもう一つの肩書だった。 女の両親とあった男。二人は知り合いだったのだ。それも最悪の方向で。 ゆっくりを虐待する代表と、ゆっくりを愛でる代表。今まで出会っていないはずはなかった。 部下同士が小競り合いになったことも、もう何度目のことだろうか。 幻想郷ゆっくり協会(GYK)で顔を突き合わせたことも、両の指では足りないくらいである。 楽しい会食になるはずが、一転、互いを罵り合う場となり、塩をあびせられた男は、憤慨し女の家を飛び出していった。 女は、すぐに男を追いかけようとするも、ゆっくりんピース代表である父に止められ、なかなか行かせてもらえなかった。 そんな父に生まれた初めて反抗し、上着を引っ掛けて出ていき、追いついたのがれいむたちのいた橋の上というわけである。 「ありがとう、愛で子さん。少しの間だったけど、愛で子さんと一緒にいられて楽しかったよ。これからは、お互い自分の道を歩んでいこう」 「虐男さん……」 『おかねがないならしょうがないね!! こんかいはとくべつに、おかねをはらわなくてもゆるしてあげるよ!!』 「さようなら、愛で子さん」 『ばいばい、おじさん!!』 女を離し、最後のあいさつを済ませる。 これですべて終わった。もう思い残すことは何もない。 男は女に背を向け、感傷に浸りながらゆっくり家に帰ろうとした。 しかし…… 「虐男さん!!」 女はシッカリとした声色で、男を呼び止める。 もう女をのほうを向かないと決意した男だが、弱々しく女々しい声色から一転、迷いのなくなった女の声に、いったいどうしたのかと女のほうを振り向いた。 「愛で子さん?」 「虐男さん!! 私はどうしても虐男さんのことを忘れられない!! だから……」 『おじさん!! ゆっくりなんでかえらないの? ここはれいむたちのおうたのすてーじだから、おかねのないひとは、ゆっくりかえってね!!』 「……だから?」 「だから……だから私も、今日から虐待お姉さんになるわ!! ゆっくりを苛めて苛めて苛め抜いてやるわ!!」 『これいじょうおうたのじゃまするなら、ゆっくりおじさんをいじめるよ!!』 「なっ!!!」 女の突然の発言に男は目を見開いた。 愛でお姉さんを辞めて、虐待お姉さんになる? そんなことが出来るはずもない。男は女の無謀な考えを改めさせる。 「馬鹿なことを言うものじゃない。そんなこと、無理に決まっている!!」 「虐男さんこそ馬鹿にしないで。ゆっくりを虐めるなんて簡単なことよ!!」 『ほんとうにおじさんをいじめるよ!! おじさんをやっつけるなんて、かんたんなんだよ!!』」 女はそう言うや、横にいたゆっくりのほうに目を向けた。 ゆっくりは、さっきから何か言っていたようだが、女の耳には入っていなかった。 大方、邪魔だからさっさとここを退けとでも言っていたのだろう。 まあそんなことはどうでもいい。 女は手近に居たゆっくり赤ゆっくりに目を付けると、それを手に取った。 『ゆっ!? おねえさん、れいむのちびちゃんをどうするの? ゆっくりはなしてね!!』 『ゆゆっ!! おしょりゃをとんでりゅみちゃい!!』 親れいむは赤ゆっくりを返せと喚いているが、女はれいむの言葉が聞こえていないのか、赤ゆっくりを持った手を男の目の前にかざした。 そして、その手に思いっきり力を入れる。 プチュ 『ゆぎゃああああぁぁぁあ―――――!!!! れいむのあかちゃんがあああぁぁぁ――――!!!』 女は男の目の前で赤ゆっくりを潰して見せた。 それを見て、絶叫する親れいむ。 潰された赤ゆっくりは、悲鳴を上げる間もなく、女の手の中でグシャグシャになった。 「はあはあはあはぁはぁ……ど、どう? 虐男さん!! わ、私もゆっくりを虐待して見せたわ。これで私も虐待お姉さんの仲間入りでしょ!!」 『なんでそんなことするのおおおおぉぉぉぉぉ―――――!!!!!』 れいむの悲鳴に反し、女は清々しいまでの笑顔を見せる。 これで自分は虐待お姉さんになった、これからも男と一緒にいることができる。 しかし、男は無表情で女の言葉を切って返す。 「……君はそれで虐待お姉さんになったつもりなのかい?」 「えっ?」 「真の虐待師は、虐待をするとき決して震えたりしない!!」 「!!!」 女は自分の手を見た。さっきから震えが止まらない。 そればかりか、全身から嫌な汗が吹き出し、止まる気配がなかった。 幼いころから愛でお姉さんであった彼女は、ゲス個体であれ良個体であれ、ゆっくりを殺害したことなど一度もない。 ゆっくりを殺した事に、鳥肌が、震えが止まらないのだ。 「た、確かに今は震えてるけど、ぎゃ、虐待を繰り返していれば、その内震えることなんてなくなるはず!!」 「ふぅ……君は何も分かっていないようだね」 「分かっていない?」 「虐待というものは、させられてするものじゃない。自分から進んでするということだ!!」 「!!!」 女は再度衝撃を受けた。 確かに自ら望んでしたことではない。男と一緒にいるために、信念も外聞も捨て無理やりしたことだ。 しかし、こんなことで諦めるわけにはいかない。 ゆっくりんピース代表の娘が、ゆっくりを殺す。それも、次代のゆっくりを担う赤ゆっくりを殺したのだ。 もう後には引くことは出来ない。 「で、でも……でも、そのうちきっと虐待が楽しくなってきて……」 「何よりね、愛で子さん。君がしたことは、虐待でも苛めでもないよ」 「えっ?」 「君がしたことは、ただの虐殺だ!!」 「!!!」 男の言葉に、彼女は三度目の衝撃を受けた。 虐待師でない彼女は、虐待と虐殺と混同していた。 ボロボロになったゆっくりの死体を見て、「また虐待師の仕業か!!」と憤慨していた父の姿も目撃している。 虐待の果てに死がある。だからこその赤ゆっくり殺害であった。 それを否定された彼女は、虐待と虐殺の違いがよく分からず、延々と考えを纏めあぐねていた。 男はそんな彼女を見て、仕方がないなと苦笑する。 「愛で子さん。どうやら君は、虐待と虐殺の違いがよく分からないようだね。仕方がない、僕が一度手本を見せてあげるよ」 男はそう言うや、女と同じく、何故か手近にあった赤ゆっくりを手にとって、女の前に掲げた。 『またああぁぁぁぁ――――!!! れいむのちびぢゃんをかえじでえええぇぇぇ―――!!!』 男はプチトマトより少し大きい赤ゆっくりを、親指と人差し指で軽く摘まむと、女の目の前で指に力を入れ始める。 『ゆびゃあああぁぁぁぁ――――!!! いじゃいよおおおおぉぉぉ―――――!!!』 男の指の中で、赤ゆっくりが悲鳴を上げる。 先程、女がしたときは一瞬で殺され、悲鳴を上げる間もなかったが、男は熟練のテクニックで、赤ゆっくりを潰さないように調節して力を入れた。 『やめでえええぇぇぇぇ――――!!!! でいぶのちびぢゃんになにずるのおおおぉぉぉぉ――――!!!』 『おねえぢゃんんんん――――――――!!!!』 『いもうどをはなじでええぇぇぇぇ――――――――――!!!!』 赤ゆっくりだけでなく、一家の絶叫までもが橋の上に響き渡る。 しかし、本来の彼女ならそんな一家に手を差し伸べるだろうが、今日はそんなことを気にしている場合ではなかった。 いや、その悲鳴すら彼女の耳には届いていなかった。 「解ったかい、虐殺と虐待の違いが。君たちゆっくりんピースの人間は虐待と虐殺を混同しているようだが、それは大きな間違いだ。 確かにアマチュアやルーキー虐待師の中には、すぐに虐殺に手を染める輩も少なくない。しかし、我々のような真のプロ虐待師は虐殺など決して行わない。 ゆっくりは生かさず殺さず、徹底的に肉体を、精神を甚振り続ける。その際、自我を崩壊させる虐待師は三流だ。二流は精神崩壊させずに苛め抜く。 そして一流は、意図的に精神崩壊を起こさせ、壊された自我を復元し、再度虐待を繰り返し、再度精神を元に戻す。死と新生を何度も繰り返させるのだ。 こういった一連の過程を楽しむのが、虐待師というものだ。ただ殺してしまうだけでは、解放感もカタルシスもあったものではない!!」 女は男の言葉に深い感銘を受けた。 今まで自分は、虐待師などただゆっくりを殺害するだけの人種だと思っていた。 しかし、それは大いなる間違いだった。 ならば、自分もそれを実践して見せる!! 男が未だ子ゆっくりを虐待しているように、自分もやってみせる!! 女は再び新しい赤ゆっくりをその手に持った。 そして男の真似をして、親指と人差し指の間に挟み、赤ゆっくりに虐待をする。 プチュ 結果は先ほどとなんら変わらなかった。 なぜ!? さっきと違って、力は抑えたはず!! 女は訳が分からず、再び赤ゆっくりを手をかけた。 今度はさっきと違い、ほとんど力を入れなかった。 しかし、肝心の赤ゆっくりの悲鳴が聞こえてこない。 いや、泣き喚く声は聞こえるのだが、痛がっているのではなく、女に殺されるのを怖がっての叫びだった。 これもある意味立派な虐待だが、女は自分が虐待をしているということに気付いていない。この辺りが、愛で派の限界なのだろう。 男も敢えてそれを伝えなかった。彼女を虐待師にしないために。 彼女が虐待師になる、それは男にとってこれほど嬉しいことはなかった。 素性を隠すことなく愛する彼女といつまでも一緒に居られるし、憎いゆっくりんピース会長の鼻も明かせる。 正に一石二鳥。不都合などあろうはずもない。 しかし、それが彼女にとって本当に幸せなのかと考えると、どうしても二の足を踏んでしまう。 ゆっくりを愛する彼女に、無理やりゆっくりを虐待させる。 心の中では泣いているはずなのに、自分のために無理やり笑顔を作らせてしまう。 それは、決して男の本意ではなかった。 そもそも男が惹かれたのは、目の前で震えながら虐待をし続ける彼女ではない。 有りのままの彼女に、ゆっくりを心から愛する彼女に惹かれたのだ。 だからこそ、男は彼女の心意気を、断腸の思いで否定し続ける。 しかし、自分の想いさえ否定している彼女に、男の深い想いが分かるはずもない。 もう何度目になるか分からない、赤ゆっくり虐待を敢行する。しかし…… プチュ またしても、赤ゆっくりは指の中で破裂してしまう。 「な、何でえええぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――!!!!」 『なんでえええええぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――!!!!』 なぜ自分には出来ない? 男は未だ赤ゆっくりに、あんなにも長く悲鳴を上げさせているというのに!! 女は分からず、地面に膝をついた。 ちなみにれいむ一家は、こんな惨劇が行われているというのに、この場を離れようとしなかった。 何しろ自分の可愛いチビちゃんの一匹が、男に捕えられたままになっているのだ。 母性の強いれいむ種に、それを見捨てることなど出来る筈はなかった。 もう二度と子供を奪われないようにと、自身の口の中に残った赤ゆっくりを仕舞い込み、頬を膨らませて男を威嚇する。 実に危機感のないゆっくりである。 「愛で子さん、これは今の君には到底無理な芸当なのだよ。 生まれたばかりの赤ゆっくりの皮というのは、とても儚く脆いものだ。今の僕と君の関係のようにね。 そんな赤ゆっくりに肉体的な虐待を加えることは、真の虐待師ですら容易なことではないんだよ。 僕が赤ゆっくりを殺さず力の調節を出来るようになるまで、何百、何千というゆっくりを虐待してきたからこそ身についた芸当なんだ。一朝一夕で身に付くほど、虐待道は甘くない」 これで、彼女も自分は虐待師にはなれないことを悟るだろう。男はそう思っていた。 しかし、彼女の男への愛情はそれを上回った。 無理でも何でもやってみせる!! 自分にも、虐待が出来ることを証明してみせる!! 女は親れいむの口を無理やり抉じ開け、中から赤ゆっくりを取り出し、手に持った。しかし…… 「な、なんで? どうして、こんなに簡単にしんでしまうのおおおぉぉぉ―――――――!!!!」 『なんででいぶのあがちゃんをごろずのおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――!!!!』 赤ゆっくりの皮は想像以上に脆く、女が何度やってみても、簡単に潰れてしまう。 遂には、親れいむの口を抉じ開けるも、すべての赤ゆっくりが居なくなっていた。 これ以上、ストックは無いのかと女の顔が青ざめる。しかし、すぐに表情に色が点った。最後の希望と言わんばかりの表情で、男の顔を見上げる。 男も彼女の言わんとしていることに気が付いたのか、仕方ないと溜息をつきながら、未だ指の中で絶叫を上げていた赤ゆっくりを手渡した。 これが正真正銘最後の虐待だ。 男は簡単にこの赤ゆっくりを虐待してみせた。ゆっくりが悪いからなんて、底の浅い言い訳は出来ない。 神様。博霊の神様。私に虐待の力を!! この赤ゆっくりに、悲鳴を上げさせてください!!! 女は目を瞑り、神に祈りをささげると、赤ゆっくりに力を加えた。 プチュ 「あっ……」 無情にも、博霊の神様はご加護を授けてはくれなかったようだ。 余談ながら、幻想郷にあるもう一つの神社、守矢神社のロリ神様は、自身の眷属がゆっくりの餌になることに、大層ご立腹とのことだ。 神という立場上、食物連鎖の理を否定をする気はないが、それと感情論は別の次元にあるものらしい。 もしも彼女が博霊の神ではなく、守矢の神に祈りをささげていれば、あるいは奇跡の風は彼女に吹いていたかもしれない。 閑話休題 女は地に手を膝をつき、その目からは止めどなく涙が溢れ出てくる。 自分は虐待お姉さんにはなれなかった。かといって、ゆっくりを殺した自分は、もう二度と愛でお姉さんにも戻ることが出来ない。 「うああああああああ――――――――――――――――――ん!!!! もう赤ゆっくりが一匹もいないよおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――!!!!!」 『ゆわあああああああ――――――――――――――――――ん!!!! でいぶのちびぢゃんがみんないなぐなっだよおおおぉぉぉぉ―――――――――――!!!!!』 女は泣きじゃくった。 赤子のように、癇癪持ちの子供のように、みっともなく泣きまくった。 愛する男の前だというのも忘れ、地面に額をこすりつけて蹲った。 男はそんな女の体を抱き上げると、ハンカチを出し、涙を拭いてあげた。 「わ、私は虐待お姉さんになれないばかりか、も、もう愛でお姉さんに、も、戻ることさえ……」 「大丈夫。これを見ていたのは僕だけだ。僕が黙ってさえいれば、誰にも知られることは……!!!」 『おぢびぢゃんだちをころじだにんげんは、ゆっぐりじねえええぇぇぇぇぇ―――――――――――!!!』 子供の敵と言わんばかりの険しい表情で、れいむは女に体当たりをする。 しかし、丁度タイミング良く男が女の体を起こしにかかり、れいむ渾身の攻撃はスッパリ外れてしまう。 そして、勢いそのままに橋の上を転がっていくと、落下防止の手すりの下を綺麗に潜り抜けて、川の中に一直線にダイブした。 『ゆぎゃああああぁぁぁぁぁ―――――――――!!! なんでかわさんにおぢるのおおおぉぉぉぉぉ―――――――――!!!!』 れいむは流されていった。 「……僕さえ黙っていれば、誰にも知られることはなくなったよ。いや本当に」 男は先ほど飲み込んだ言葉を繰り返した。 「そんなことじゃない!! 私は、愛するゆっくりを自分の都合のために殺してしまったのよ!!」 「人間誰しも間違いはあるよ。それに他の動物愛護団体、例えば野鳥や小動物の愛護団体だって、生態系に異常が出ると、悲しさや悔しさを我慢して、間引きすることもある。 所詮は人間のエゴで管理されているんだ。ゆっくりだって同じことだよ。だから君は愛でお姉さんに戻れる。今回は偶々魔が差しただけさ。 心の底からゆっくりを愛しているんだろ。この震えた体が何よりの証拠だ」 「ぎゃ、虐男さん……」 二人は抱き合った。 抱きしめ、人目も憚らず、熱い口づけを交わし合う。 まるでその光景は、世界が二人だけになったかのような錯覚を覚えさせた。 しかし、シンデレラでいられる時間は長くない。 二人は惜しいと思いつつも抱擁を解き、互いを見つめ合うと、そのまま何も言うことなく同時に背を向けた。 言葉に出さなくても、しっかり分かっていた。自分たちの楽しかった時間は、これで終わってしまったのだと。もう二度と昨日には戻れないのだと。 明日からは、お互い元の生活に戻るだけだ。 男は虐待お兄さんに、女は愛でお姉さんに…… 遠く聞こえるゆっくりの悲鳴をBGMに、二人は逆の方向にそれぞれ橋を下りていった。 これは、ゆっくりによってすれ違ってしまった男女の悲しい愛の物語である。 〜fin〜 久しぶりに「ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語」を読み返し、どうにも納得出来なくて加筆修正してしもた 編集者さん、いつも御苦労さまどす 途中やラストが結構変更されているので修正版としてではなく、新規SSとして纏めてもらえると助かります 以前の内容のほうがいいという人がいるかもしれないので 過去作 ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後? ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後? ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船? ゆっくりいじめ系848 風船? ゆっくりいじめ系849 風船? ゆっくりいじめ系936 カルガモとゆっくり 前編 ゆっくりいじめ系937 カルガモとゆっくり 後編 ゆっくりいじめ系938 カルガモとゆっくり おまけ ゆっくりいじめ系960 ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみた ゆっくりいじめ系1702 三匹のゆっくり 1 ゆっくりいじめ系1703 三匹のゆっくり 2 ゆっくりいじめ系1704 三匹のゆっくり 3 ゆっくりいじめ系1705 三匹のゆっくり 4 ゆっくりいじめ系1706 三匹のゆっくり 5 ゆっくりいじめ系1707 三匹のゆっくり 6 ゆっくりいじめ系1708 三匹のゆっくり 7 ゆっくりいじめ系1709 三匹のゆっくり 8 ゆっくりいじめ系1716 続・ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみた
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2411.html
『ちびちゃんたち!! きょうもおうたをうたって、いっぱいおかねをもらおうね!!』 『『『『『もりゃおうね!!』』』』』 夏も終わり、秋もすっかり深まったこの頃、ゆっくりれいむの一家が、橋の上のど真ん中に陣取り、汚い藁を敷いて座っていた。 この時期、ゆっくりたちは越冬に向けて、巣を作ったり、餌をため込んだりする大切な時期だ。 しかし、一家はそんなことをする様子は全くない。 いや、そんな時代遅れなことをする必要はなかったのだ。 最近、どこで覚えてきたのか、歌を歌って人間から金を貰おうとするゆっくりが増えている。 この一家もその類だった。 金をもらい、里で買い物をして、冬を越す。最先端ゆっくりの越冬方法だ。 成功率は限りなく低いが…… 『きょうも、きにょうのにんげんしゃんみたいに、いっぱいおかにぇをくりぇりゅかな?』 『きっといっぱいくれるよ!! きょうおかねをもらったら、にんげんさんのおみせでおいしいものをいっぱいかおうね!!』 目の前には、これまたボロボロで中身が少し残った缶詰が置いてあり、中には丸い金属がいくつも入っている。 ゆっくりの歌に金を払うアホがいるのかと思うかもしれないが、実はこれ、金でもなんでもない。 「一まん円」と手書きで書かれたビンの王冠が、大量に入っているのだ。 昨日、この橋を通った子供たちが、一家をからかって入れたものだ。 一家はすっかりこれを本物の金を勘違いし、調子に乗って、『ゆーゆーゆー……』と発声練習に余念がない 喉もないくせに、スター気取りとは生意気なことである。結局、人間の真似ごとをしていたいだけなのだろう。 この時点で、一家の命運は決まったようなものだ。 しかし、一家がそんな事に気付くはずはなく、一生懸命下手な発声練習に精を出していると、こっちに向かってくる男が目に付いた。 ロングコートを羽織った若い男だ。おそらくまだ二十代だろう。 季節は冬ではないが、今日は冷たい北風が吹きすさび、心底身にしみる。男はコートの襟をたて、体を縮めて歩いていた。 一家は思った。あの男は、きっと橋を渡るに違いないと。 『みんな!! にんげんさんがきたよ!! ゆっくりがんばって、おうたをうたおうね!!』 子供たちにはっぱを掛け、一列に整列させる。 男のほうに注目すると、案の定、男はこの橋を渡るようだ。 後数メートル。れいむたちは、男が目の前に来ると、一斉に男に声を掛けた……が、 『おじさん!! ゆっくりれいむたちのおうたをきいていってね!!』「待って!! 虐男さん!!」 れいむたちの声に、女性の声が重なった。 れいむたちは、どこから聞こえてきたのだと、辺りを見回した。 すると、男が歩いてきた方向から、一人の女性が走ってきた。 どうやら、れいむたちの声を遮ったのは、この女の人らしい。 男はちょうどれいむ一家の前で立ち止まると、女性のほうを振り返った。 「はぁはぁ……虐男さん。お願い、話を聞いて!!」 女は男の元まで走ってくる。 男と違い薄着に軽く外着を引っ掛けてきただけだが、よほど急いで来たのか、この寒い中うっすら汗をかいている。 膝に手を付いて荒い息を整えると、ようやく落ち着いてきたのか男に言葉を掛けようとした。 しかし、それが面白くないのはれいむ一家だ。 この男に先に目をつけたのは自分たちなのだ。 この女は、きっと自分たちより先に、この男に歌を聞かせようという魂胆に違いない。 途中から割り込んできて、お客を横取りするなんてマナー違反である。れいむは女に文句を言った。 『おねえさん!! れいむたちが、さいしょにおうたをうたうんだよ!! ゆっくりじゅんばんをまもってね!!』 一家は頬を膨らましている。 しかし、女はそんなれいむを無視し……というか、気付いていないのか、目もくれない。 ひたすら男の顔だけを見続けていた。 男も、そんな女の目を真摯に見つめている。 「愛で子さん……なぜここに来たんだ」 「なぜって……あなたを追って来たに決まってるでしょ!! 話も聞かずに出ていくなんて!!」 『おねえさん!! ゆっくりれいむをむししないでね!!』 「話ならもう終わっただろ。所詮、僕と君とは永遠に結ばれない運命だったのさ」 「そんな……なんで!! なんでそんなこと言うの!!」 『むししないでねっていってるでしょ!! ゆっくりきこえないの!?』 れいむがどんなに叫んでも、女の耳には届かなかった。 「所詮、僕はゆっくり虐待お兄さん。そして君はゆっくり愛でお姉さん。どうすればつり合うというんだ」 「……確かに私は愛でお姉さんで、あなたは虐待お兄さん。本来なら、決して相容れない存在……」 『もういいよ!! ちびちゃんたち、こんなおみみのきこえないおねえさんはむしして、おじさんにおうたをきかせようね!!』 れいむは業を煮やし、遂には女を無視して男に歌を聞かせるという、強行手段に出ることにした。 子ゆっくりたちを向いて、『せいの…』と小声で合図を取り始める。 「そうだ、だから……」 「でも!! でも、例え立場は違っても、私たちは愛し合っていた。それは紛れもない事実よ!!」 『ゆ〜ゆゆ〜〜ゆ〜ゆ〜ゆっくりしていってね〜〜〜♪』 「……んん……それは……」 「それとも、愛し合っていたと思っていたのは私だけ? 私が一方的にあなたを想っていただけなの? すべて私の独りよがりの恋だったの?」 『おじさん!! れいむたちのおうた、じょうずだったでしょ!! ゆっくりおかねをちょうだいね!!』 『『『『『ちょうだいね!!!!!』』』』』 歌とも言えぬ様な短い歌も終わり、一家は男に金をせびる。 「それは違う!! 僕も君を心底愛していた!! 絶対だ!! 博霊の神に誓う!!」 「だったら……なんで!!」 『おじさん!! れいむたちはおかねをちょうだいっていってるんだよ!! ゆっくりはやくおかねをここにいれてね!!』 「愛で子さん。さっきも言ったけど、僕は虐待お兄さんなんだよ」 「ええ……聞いたわ」 『おじさんまでれいむたちをむししないでね!! おうたをきいたんだから、おかねをいれないといけないんだよ!!』 「僕はそれを隠していたんだ、自分可愛さにね……そして、君も僕に隠していただろ、自分が愛でお姉さんであることを」 「虐男さん……」 『ゆゆっ!! おじさんたち、もっとおうたをうたってほしいんだね!! ゆっくりりかいしたよ!! きょうはとくべつに、もういっかいおうたをうたってあげるね!!』 れいむは、男が缶にお金を入れてくれないのは、歌があまりにも短すぎるからだと考えた。 男が自分たちの話を聞いていないなどとは、露ほども考えていない。 子ゆっくりたちに向かって、『もういっかいうたうよ』と言って、再度合図を送る。 「体が疼いて仕方がないんだ。ゆっくりを虐待しろってね。これは僕のDNAに刻まれた本能なんだ」 「そんな……そんなのって!!」 『ゆっくり〜〜ゆっくり〜〜ゆ〜っく〜〜り♪』 「呪いみたいなものさ。永遠に解けることのない呪いの鎖。この鎖が解けるとき、それは即ち僕が死ぬときだ。だから……僕は君といっしょにはいられない」 「う……うう……ぎゃ、虐男さん……」 『ゆんゆんゆんゆん♪ ゆ〜んゆん♪ ゆっくりしていってね〜〜〜♪♪』 「こんな僕の為に泣かないでくれ。自分から去っておいてなんだが、君は本当に素敵な女性だ。僕がいなくても、すぐに素敵な恋人が出来るさ」 「いやよ!! わたしは虐男さん以外の男性なんて!!」 『おじさん!! これでいいでしょ!! ゆっくりおかねをおいていってね!!』 「あまり僕を困らせないでくれ。新しい恋人が出来れば、僕のことなんてすぐに忘れられるさ。その時になって、昔こんな素敵な自分を振った馬鹿な男がいたなと、物笑いの種にでもしてくれ」 「いやよ!! いやいやいやいや……」 『いやいやじゃないよ!! おねえさんはゆっくりだまっててね!! おじさんのおかねはれいむたちのものだよ!! ゆっくりおかねをくれないといけないんだよ!!』 「愛で子さん……最後に僕の我儘を聞いてほしい。抱き締めさせてくれないか?」 「虐男さん……」 『わかったよ、おじさん!! いまおかねをはらえば、とくべつにかわいいれいむたちをだっこさせてあげるよ!! こんなちゃんす、もうないよ!!』 男はそう言うと、人目を憚ることなく、女を力いっぱい抱きしめた。 これが最後の我儘だと言わんばかりに…… 女も男の抱擁に応え、男の大きな背中に腕をまわした。 男の胸元に顔を埋め、涙を流し続ける。涙で顔はグシャグシャだが、そんなのお構いなしだ。 『ゆぅ……おじさんがおかねをはらってくれないのは、じゃまなおねえさんのせいだよ!!』 「ゆっくりなんて、存在しなければ良かったのに……」 『おねえさんなんて、いなければよかったのに!! ぷんぷん!!』 男の胸の中で、女がポツリと漏らす。 ゆっくりが居なければ、自分たちは愛でお姉さんにも、虐待お兄さんにもならなかった。 一生彼といっしょにいることが出来た。 すべてゆっくりがいたから、自分たちはこうなったのだ。 女はゆっくりという生物に、今初めて強い怒りを覚えた。 しかし、女を抱きしめたまま、男は首を横に振る。 「そんなこと言うもんじゃないよ、愛で子さん」 「でも!! でもっ!!!」 『ゆっ!? もしかしておじさん、おかねをもってないの?』 れいむの餡子脳に、ふとその考えが浮かんだ。 自分たちの素晴らしい歌を聞いてお金を入れてくれない人間などいる筈がない。 昨日の子供たちは、自分たちのあまりの美声に、お金の中で一番高い「一まん円」コインを、大量に投下してくれた。 子供ですら大金を払ってでも聞きたくなるような歌なのだ。 おそらくこの男はお金を持っていない。しかし、れいむたちの歌は聴きたい。そこで無銭視聴をすることにしたのだろう。 金を払わないのは業腹であるが、ファンは一人でも大切にするべきである。ここは「あーてぃすと」として、太っ腹なところを見せるべきだろう。 「僕たちが今あるのは、すべてゆっくりのおかげだということを忘れてはいけないよ。 ゆっくりが存在しなければ、僕はただの貧乏農家の長男として生を終えていたはずさ。君だって一介の里娘で終わっていただろう。 しかし、ゆっくりのおかげで、僕は虐待製品の製造・販売を一手に握るブリーングオブスローリー・カンパニーの代表に、君はゆっくりんピース代表の娘になれたんじゃないか。 ゆっくりなしには、今の豊かな生活はあり得なかったんだよ」 「そうだけど……でも!!」 『おじさん、びんぼうさんなんだね……ゆっくりかわいそうだね』 「それに、もしゆっくりが居なければ、そもそも僕たちは出会ってすらいなかったんだ」 「そ、それは……」 女も口を濁す。 男と女。立場が正反対の二人が出会ったのは、正しく偶然の賜物であった。 男は虐待するためのゆっくりを探しに、女はゆっくりんピースの一員として、ゆっくりが本当にゆっくり出来ているかを調査するため、森に来ていた。 しかし、突然予測にない大雨が降り、雨をやり過ごすため手近の洞窟に入ったとき、偶然にも二人は出会った。 初め、二人は互いの素性を隠しあっていた。 虐待をする男はある意味当然だが、ゆっくりを愛でる人間も、その道を理解できない人には気持ち悪く映ることがある。 特に農家のなどのゆっくりを毛嫌いしている人間には、ゆっくりを愛でるゆっくりんピースを敵視している者さえいるのだ。 そのため、二人は素性を隠したまま、薄暗い洞窟の中で、雨がやむのをひたすら待ち続けた。 二人の恋の始まりはそこからだった。 最初は薄暗く恐怖を演出する洞窟という環境に、つり橋効果が働いただけかもしれない。 しかし、暇を持て余し会話を交わしているうちに、二人はいつの間にかすっかり意気投合していた。 そして、無事に山を降りた後も素性を隠して何度か会っていくうちに、いつしかそれは本物の恋心に変わっていった。 二人は将来を誓い合う仲になっていった。 しかし、今日男が女の家に行って、すべてが壊れた。 男は自分が虐待お兄さんであることを告白する気はなかった。 一介の平凡な会社社長であることだけを伝え、もし会社のことを聞かれた時のことも考え、ダミー会社まで作っていた。 それほどまでに、男は女のことを愛していたのである。 しかし不運だったのは、女の家事情が特殊だったと言うことである。 女はこれまで実家で家事手伝いをしていると言っていた。それ自体に嘘はない……が、 「ゆっくりんピース代表の娘」 それが、女のもう一つの肩書だった。 女の両親とあった男。二人は知り合いだったのだ。それも最悪の方向で。 ゆっくりを虐待する代表と、ゆっくりを愛でる代表。今まで出会っていないはずはなかった。 部下同士が小競り合いになったことも、もう何度目のことだろうか。 幻想郷ゆっくり協会(GYK)で顔を突き合わせたことも、両の指では足りないくらいである。 楽しい会食になるはずが、一転、互いを罵り合う場となり、塩をあびせられた男は、憤慨し女の家を飛び出していった。 女は、すぐに男を追いかけようとするも、ゆっくりんピース代表である父に止められ、なかなか行かせてもらえなかった。 そんな父に生まれた初めて反抗し、上着を引っ掛けて出ていき、追いついたのがれいむたちのいた橋の上というわけである。 「ありがとう、愛で子さん。少しの間だったけど、愛で子さんと一緒にいられて楽しかったよ。これからは、お互い自分の道を歩んでいこう」 「虐男さん……」 『おかねがないならしょうがないね!! こんかいはとくべつに、おかねをはらわなくてもゆるしてあげるよ!!』 「さようなら、愛で子さん」 『ばいばい、おじさん!!』 女を離し、最後のあいさつを済ませる。 これですべて終わった。もう思い残すことは何もない。 男は女に背を向け、感傷に浸りながらゆっくり家に帰ろうとした。 しかし…… 「虐男さん!!」 女はシッカリとした声色で、男を呼び止める。 もう女をのほうを向かないと決意した男だが、弱々しく女々しい声色から一転、迷いのなくなった女の声に、いったいどうしたのかと女のほうを振り向いた。 「愛で子さん?」 「虐男さん!! 私はどうしても虐男さんのことを忘れられない!! だから……」 『おじさん!! ゆっくりなんでかえらないの? ここはれいむたちのおうたのすてーじだから、おかねのないひとは、ゆっくりかえってね!!』 「……だから?」 「だから……だから私も、今日から虐待お姉さんになるわ!! ゆっくりを苛めて苛めて苛め抜いてやるわ!!」 『これいじょうおうたのじゃまするなら、ゆっくりおじさんをいじめるよ!!』 「なっ!!!」 女の突然の発言に男は目を見開いた。 愛でお姉さんを辞めて、虐待お姉さんになる? そんなことが出来るはずもない。男は女の無謀な考えを改めさせる。 「馬鹿なことを言うものじゃない。そんなこと、無理に決まっている!!」 「虐男さんこそ馬鹿にしないで。ゆっくりを虐めるなんて簡単なことよ!!」 『ほんとうにおじさんをいじめるよ!! おじさんをやっつけるなんて、かんたんなんだよ!!』」 女はそう言うや、横にいたゆっくりのほうに目を向けた。 ゆっくりは、さっきから何か言っていたようだが、女の耳には入っていなかった。 大方、邪魔だからさっさとここを退けとでも言っていたのだろう。 まあそんなことはどうでもいい。 女は手近に居たゆっくり赤ゆっくりに目を付けると、それを手に取った。 『ゆっ!? おねえさん、れいむのちびちゃんをどうするの? ゆっくりはなしてね!!』 『ゆゆっ!! おしょりゃをとんでりゅみちゃい!!』 親れいむは赤ゆっくりを返せと喚いているが、女はれいむの言葉が聞こえていないのか、赤ゆっくりを持った手を男の目の前にかざした。 そして、その手に思いっきり力を入れる。 プチュ 『ゆぎゃああああぁぁぁあ―――――!!!! れいむのあかちゃんがあああぁぁぁ――――!!!』 女は男の目の前で赤ゆっくりを潰して見せた。 それを見て、絶叫する親れいむ。 潰された赤ゆっくりは、悲鳴を上げる間もなく、女の手の中でグシャグシャになった。 「はあはあはあはぁはぁ……ど、どう? 虐男さん!! わ、私もゆっくりを虐待して見せたわ。これで私も虐待お姉さんの仲間入りでしょ!!」 『なんでそんなことするのおおおおぉぉぉぉぉ―――――!!!!!』 れいむの悲鳴に反し、女は清々しいまでの笑顔を見せる。 これで自分は虐待お姉さんになった、これからも男と一緒にいることができる。 しかし、男は無表情で女の言葉を切って返す。 「……君はそれで虐待お姉さんになったつもりなのかい?」 「えっ?」 「真の虐待師は、虐待をするとき決して震えたりしない!!」 「!!!」 女は自分の手を見た。さっきから震えが止まらない。 そればかりか、全身から嫌な汗が吹き出し、止まる気配がなかった。 幼いころから愛でお姉さんであった彼女は、ゲス個体であれ良個体であれ、ゆっくりを殺害したことなど一度もない。 ゆっくりを殺した事に、鳥肌が、震えが止まらないのだ。 「た、確かに今は震えてるけど、ぎゃ、虐待を繰り返していれば、その内震えることなんてなくなるはず!!」 「ふぅ……君は何も分かっていないようだね」 「分かっていない?」 「虐待というものは、させられてするものじゃない。自分から進んでするということだ!!」 「!!!」 女は再度衝撃を受けた。 確かに自ら望んでしたことではない。男と一緒にいるために、信念も外聞も捨て無理やりしたことだ。 しかし、こんなことで諦めるわけにはいかない。 ゆっくりんピース代表の娘が、ゆっくりを殺す。それも、次代のゆっくりを担う赤ゆっくりを殺したのだ。 もう後には引くことは出来ない。 「で、でも……でも、そのうちきっと虐待が楽しくなってきて……」 「何よりね、愛で子さん。君がしたことは、虐待でも苛めでもないよ」 「えっ?」 「君がしたことは、ただの虐殺だ!!」 「!!!」 男の言葉に、彼女は三度目の衝撃を受けた。 虐待師でない彼女は、虐待と虐殺と混同していた。 ボロボロになったゆっくりの死体を見て、「また虐待師の仕業か!!」と憤慨していた父の姿も目撃している。 虐待の果てに死がある。だからこその赤ゆっくり殺害であった。 それを否定された彼女は、虐待と虐殺の違いがよく分からず、延々と考えを纏めあぐねていた。 男はそんな彼女を見て、仕方がないなと苦笑する。 「愛で子さん。どうやら君は、虐待と虐殺の違いがよく分からないようだね。仕方がない、僕が一度手本を見せてあげるよ」 男はそう言うや、女と同じく、何故か手近にあった赤ゆっくりを手にとって、女の前に掲げた。 『またああぁぁぁぁ――――!!! れいむのちびぢゃんをかえじでえええぇぇぇ―――!!!』 男はプチトマトより少し大きい赤ゆっくりを、親指と人差し指で軽く摘まむと、女の目の前で指に力を入れ始める。 『ゆびゃあああぁぁぁぁ――――!!! いじゃいよおおおおぉぉぉ―――――!!!』 男の指の中で、赤ゆっくりが悲鳴を上げる。 先程、女がしたときは一瞬で殺され、悲鳴を上げる間もなかったが、男は熟練のテクニックで、赤ゆっくりを潰さないように調節して力を入れた。 『やめでえええぇぇぇぇ――――!!!! でいぶのちびぢゃんになにずるのおおおぉぉぉぉ――――!!!』 『おねえぢゃんんんん――――――――!!!!』 『いもうどをはなじでええぇぇぇぇ――――――――――!!!!』 赤ゆっくりだけでなく、一家の絶叫までもが橋の上に響き渡る。 しかし、本来の彼女ならそんな一家に手を差し伸べるだろうが、今日はそんなことを気にしている場合ではなかった。 いや、その悲鳴すら彼女の耳には届いていなかった。 「解ったかい、虐殺と虐待の違いが。君たちゆっくりんピースの人間は虐待と虐殺を混同しているようだが、それは大きな間違いだ。 確かにアマチュアやルーキー虐待師の中には、すぐに虐殺に手を染める輩も少なくない。しかし、我々のような真のプロ虐待師は虐殺など決して行わない。 ゆっくりは生かさず殺さず、徹底的に肉体を、精神を甚振り続ける。その際、自我を崩壊させる虐待師は三流だ。二流は精神崩壊させずに苛め抜く。 そして一流は、意図的に精神崩壊を起こさせ、壊された自我を復元し、再度虐待を繰り返し、再度精神を元に戻す。死と新生を何度も繰り返させるのだ。 こういった一連の過程を楽しむのが、虐待師というものだ。ただ殺してしまうだけでは、解放感もカタルシスもあったものではない!!」 女は男の言葉に深い感銘を受けた。 今まで自分は、虐待師などただゆっくりを殺害するだけの人種だと思っていた。 しかし、それは大いなる間違いだった。 ならば、自分もそれを実践して見せる!! 男が未だ子ゆっくりを虐待しているように、自分もやってみせる!! 女は再び新しい赤ゆっくりをその手に持った。 そして男の真似をして、親指と人差し指の間に挟み、赤ゆっくりに虐待をする。 プチュ 結果は先ほどとなんら変わらなかった。 なぜ!? さっきと違って、力は抑えたはず!! 女は訳が分からず、再び赤ゆっくりを手をかけた。 今度はさっきと違い、ほとんど力を入れなかった。 しかし、肝心の赤ゆっくりの悲鳴が聞こえてこない。 いや、泣き喚く声は聞こえるのだが、痛がっているのではなく、女に殺されるのを怖がっての叫びだった。 これもある意味立派な虐待だが、女は自分が虐待をしているということに気付いていない。この辺りが、愛で派の限界なのだろう。 男も敢えてそれを伝えなかった。彼女を虐待師にしないために。 彼女が虐待師になる、それは男にとってこれほど嬉しいことはなかった。 素性を隠すことなく愛する彼女といつまでも一緒に居られるし、憎いゆっくりんピース会長の鼻も明かせる。 正に一石二鳥。不都合などあろうはずもない。 しかし、それが彼女にとって本当に幸せなのかと考えると、どうしても二の足を踏んでしまう。 ゆっくりを愛する彼女に、無理やりゆっくりを虐待させる。 心の中では泣いているはずなのに、自分のために無理やり笑顔を作らせてしまう。 それは、決して男の本意ではなかった。 そもそも男が惹かれたのは、目の前で震えながら虐待をし続ける彼女ではない。 有りのままの彼女に、ゆっくりを心から愛する彼女に惹かれたのだ。 だからこそ、男は彼女の心意気を、断腸の思いで否定し続ける。 しかし、自分の想いさえ否定している彼女に、男の深い想いが分かるはずもない。 もう何度目になるか分からない、赤ゆっくり虐待を敢行する。しかし…… プチュ またしても、赤ゆっくりは指の中で破裂してしまう。 「な、何でえええぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――!!!!」 『なんでえええええぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――!!!!』 なぜ自分には出来ない? 男は未だ赤ゆっくりに、あんなにも長く悲鳴を上げさせているというのに!! 女は分からず、地面に膝をついた。 ちなみにれいむ一家は、こんな惨劇が行われているというのに、この場を離れようとしなかった。 何しろ自分の可愛いチビちゃんの一匹が、男に捕えられたままになっているのだ。 母性の強いれいむ種に、それを見捨てることなど出来る筈はなかった。 もう二度と子供を奪われないようにと、自身の口の中に残った赤ゆっくりを仕舞い込み、頬を膨らませて男を威嚇する。 実に危機感のないゆっくりである。 「愛で子さん、これは今の君には到底無理な芸当なのだよ。 生まれたばかりの赤ゆっくりの皮というのは、とても儚く脆いものだ。今の僕と君の関係のようにね。 そんな赤ゆっくりに肉体的な虐待を加えることは、真の虐待師ですら容易なことではないんだよ。 僕が赤ゆっくりを殺さず力の調節を出来るようになるまで、何百、何千というゆっくりを虐待してきたからこそ身についた芸当なんだ。一朝一夕で身に付くほど、虐待道は甘くない」 これで、彼女も自分は虐待師にはなれないことを悟るだろう。男はそう思っていた。 しかし、彼女の男への愛情はそれを上回った。 無理でも何でもやってみせる!! 自分にも、虐待が出来ることを証明してみせる!! 女は親れいむの口を無理やり抉じ開け、中から赤ゆっくりを取り出し、手に持った。しかし…… 「な、なんで? どうして、こんなに簡単にしんでしまうのおおおぉぉぉ―――――――!!!!」 『なんででいぶのあがちゃんをごろずのおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――!!!!』 赤ゆっくりの皮は想像以上に脆く、女が何度やってみても、簡単に潰れてしまう。 遂には、親れいむの口を抉じ開けるも、すべての赤ゆっくりが居なくなっていた。 これ以上、ストックは無いのかと女の顔が青ざめる。しかし、すぐに表情に色が点った。最後の希望と言わんばかりの表情で、男の顔を見上げる。 男も彼女の言わんとしていることに気が付いたのか、仕方ないと溜息をつきながら、未だ指の中で絶叫を上げていた赤ゆっくりを手渡した。 これが正真正銘最後の虐待だ。 男は簡単にこの赤ゆっくりを虐待してみせた。ゆっくりが悪いからなんて、底の浅い言い訳は出来ない。 神様。博霊の神様。私に虐待の力を!! この赤ゆっくりに、悲鳴を上げさせてください!!! 女は目を瞑り、神に祈りをささげると、赤ゆっくりに力を加えた。 プチュ 「あっ……」 無情にも、博霊の神様はご加護を授けてはくれなかったようだ。 余談ながら、幻想郷にあるもう一つの神社、守矢神社のロリ神様は、自身の眷属がゆっくりの餌になることに、大層ご立腹とのことだ。 神という立場上、食物連鎖の理を否定をする気はないが、それと感情論は別の次元にあるものらしい。 もしも彼女が博霊の神ではなく、守矢の神に祈りをささげていれば、あるいは奇跡の風は彼女に吹いていたかもしれない。 閑話休題 女は地に手を膝をつき、その目からは止めどなく涙が溢れ出てくる。 自分は虐待お姉さんにはなれなかった。かといって、ゆっくりを殺した自分は、もう二度と愛でお姉さんにも戻ることが出来ない。 「うああああああああ――――――――――――――――――ん!!!! もう赤ゆっくりが一匹もいないよおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――!!!!!」 『ゆわあああああああ――――――――――――――――――ん!!!! でいぶのちびぢゃんがみんないなぐなっだよおおおぉぉぉぉ―――――――――――!!!!!』 女は泣きじゃくった。 赤子のように、癇癪持ちの子供のように、みっともなく泣きまくった。 愛する男の前だというのも忘れ、地面に額をこすりつけて蹲った。 男はそんな女の体を抱き上げると、ハンカチを出し、涙を拭いてあげた。 「わ、私は虐待お姉さんになれないばかりか、も、もう愛でお姉さんに、も、戻ることさえ……」 「大丈夫。これを見ていたのは僕だけだ。僕が黙ってさえいれば、誰にも知られることは……!!!」 『おぢびぢゃんだちをころじだにんげんは、ゆっぐりじねえええぇぇぇぇぇ―――――――――――!!!』 子供の敵と言わんばかりの険しい表情で、れいむは女に体当たりをする。 しかし、丁度タイミング良く男が女の体を起こしにかかり、れいむ渾身の攻撃はスッパリ外れてしまう。 そして、勢いそのままに橋の上を転がっていくと、落下防止の手すりの下を綺麗に潜り抜けて、川の中に一直線にダイブした。 『ゆぎゃああああぁぁぁぁぁ―――――――――!!! なんでかわさんにおぢるのおおおぉぉぉぉぉ―――――――――!!!!』 れいむは流されていった。 「……僕さえ黙っていれば、誰にも知られることはなくなったよ。いや本当に」 男は先ほど飲み込んだ言葉を繰り返した。 「そんなことじゃない!! 私は、愛するゆっくりを自分の都合のために殺してしまったのよ!!」 「人間誰しも間違いはあるよ。それに他の動物愛護団体、例えば野鳥や小動物の愛護団体だって、生態系に異常が出ると、悲しさや悔しさを我慢して、間引きすることもある。 所詮は人間のエゴで管理されているんだ。ゆっくりだって同じことだよ。だから君は愛でお姉さんに戻れる。今回は偶々魔が差しただけさ。 心の底からゆっくりを愛しているんだろ。この震えた体が何よりの証拠だ」 「ぎゃ、虐男さん……」 二人は抱き合った。 抱きしめ、人目も憚らず、熱い口づけを交わし合う。 まるでその光景は、世界が二人だけになったかのような錯覚を覚えさせた。 しかし、シンデレラでいられる時間は長くない。 二人は惜しいと思いつつも抱擁を解き、互いを見つめ合うと、そのまま何も言うことなく同時に背を向けた。 言葉に出さなくても、しっかり分かっていた。自分たちの楽しかった時間は、これで終わってしまったのだと。もう二度と昨日には戻れないのだと。 明日からは、お互い元の生活に戻るだけだ。 男は虐待お兄さんに、女は愛でお姉さんに…… 遠く聞こえるゆっくりの悲鳴をBGMに、二人は逆の方向にそれぞれ橋を下りていった。 これは、ゆっくりによってすれ違ってしまった男女の悲しい愛の物語である。 〜fin〜 久しぶりに「ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語」を読み返し、どうにも納得出来なくて加筆修正してしもた 編集者さん、いつも御苦労さまどす 途中やラストが結構変更されているので修正版としてではなく、新規SSとして纏めてもらえると助かります 以前の内容のほうがいいという人がいるかもしれないので 過去作 ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後? ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後? ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船? ゆっくりいじめ系848 風船? ゆっくりいじめ系849 風船? ゆっくりいじめ系936 カルガモとゆっくり 前編 ゆっくりいじめ系937 カルガモとゆっくり 後編 ゆっくりいじめ系938 カルガモとゆっくり おまけ ゆっくりいじめ系960 ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみた ゆっくりいじめ系1702 三匹のゆっくり 1 ゆっくりいじめ系1703 三匹のゆっくり 2 ゆっくりいじめ系1704 三匹のゆっくり 3 ゆっくりいじめ系1705 三匹のゆっくり 4 ゆっくりいじめ系1706 三匹のゆっくり 5 ゆっくりいじめ系1707 三匹のゆっくり 6 ゆっくりいじめ系1708 三匹のゆっくり 7 ゆっくりいじめ系1709 三匹のゆっくり 8 ゆっくりいじめ系1716 続・ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみた
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/16549.html
さよならわんうぇいはーと【登録タグ JASRAC管理曲 daniwell さ 初音ミク 曲 殿堂入り】 作詞:daniwell 作曲:daniwell 編曲:daniwell 唄:初音ミク 曲紹介 どうしようもなくもなくない。(作者コメ転載) 歌詞 痛い イタイ 痛い 感情の ない世界なんてないけれど 叶わない想い すれ違いの 淡い 曖昧 何も見えない 暗い cry 泣き叫ぶ 悲鳴 悲鳴 絶望の 深い 想い 深い 悲しみの 愛 迷い 逃げ場のない未来 途切れ途切れ すれ違ってく 思い思いの感情と感情が 揺らぎ揺らぎ消えてしまう 希望もなにも見えないけど 離れてゆく 残響さえ聞こえなくなって遠くへ消えてく 追いかけてく 君との距離も縮まることなくて彷徨う 目印もないまま ただ 僕の声が 届かなくて 手と手 合わせ願うけど 切ない世界 変わらなくて 目の前 暗闇でも 脆い想い また廻り会えると信じて 遠い 願い 遠い 終わりの 見えない願い 忘れられない未来 長い長い旅の途中 深い深い夢の続き 静かに降りしきる雨の匂いさえも分からないけど 止まない雨なんてないけど 一秒さえ永遠に近い 覚めない夢 叶わない想い 叶うまで続いてくのか? いつか消えてしまうのか? まだ届かない感情の 愛 痛い 会いたくて 僕は叫ぶの 胸の奥の 迷い 迷い 消し去る 未来見えない 未来遠すぎて 淡い淡い記憶の彼方へ 消え去りそうなくらいの 弱い届かない感情 僕の声が 届かなくて 手と手 合わせ願うけど 切ない世界 変わらなくて 目の前 暗闇でも 脆い想い また廻り会えると信じて 遠い 願い 遠い 終わりの 見えない願い 忘れられない まだ届かない感情の 愛 痛い 会いたくて 僕は叫ぶの 胸の奥の 迷い 迷い 消し去る 未来見えない 未来遠すぎて 淡い淡い記憶の彼方へ 消え去りそうなくらいの 弱い届かない感情 コメント めっちゃ好き -- 名無しさん (2011-06-11 12 02 46) 今回も歌詞の演出良かった -- 名無しさん (2011-06-11 18 00 25) 久々の個人的ヒット曲 -- 名無しさん (2011-06-12 23 42 46) こんな曲も作るなんて、ダニエルさんすごいな・・・メロディがシンプルで大好きです -- 名無し (2011-06-14 13 21 26) 歌詞もメロディーも好き!哀しいのにずっと聞いてたくなる。 -- SEA (2011-06-14 18 18 54) ずっと聞いています。 -- 名無しさん (2011-06-16 21 26 28) かっこいいだにえるさん -- 名無しさん (2011-06-23 09 40 03) 転調が毎回かっこいいです♪すき!! -- 名無しさん (2011-10-02 21 10 16) 凄い歌! -- 名無しさん (2011-11-24 17 26 46) 何度聞いても最高!とてもよかった -- 名無しさん (2012-01-09 00 23 58) 暗い…かっこいい! -- ベースに聞こえるのはベースギターなのかシンセなのか (2012-02-02 20 14 52) かっこいいのに泣ける…!! -- memory (2012-02-09 23 32 51) だにえるさん大好きです。 -- かき氷 (2012-10-02 21 48 11) かっこいいし泣ける=神 -- 名無しさん 名無しさん (2012-10-06 17 15 23) 久しぶりにグッときた -- がるぼ (2012-10-28 21 29 20) 涙が止まりませんでした…この曲大好きです! -- しくしく (2013-02-10 22 57 29) 遅くなったけど殿堂入りおめ! -- 名無しさん (2013-10-16 21 51 27) なんか中毒 -- てゅのん (2014-01-01 14 25 16) 無機質なシャー芯アートと歌詞のマッチングが最高。 -- エアレンディル (2015-01-17 22 59 10) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gods/pages/27489.html
ネック 北欧民間伝承の水の精霊。 人間のいけにえを要求する。 別名: ネッカン ネク
https://w.atwiki.jp/fairdol/pages/709.html
ヤンデレタイプの、各イベントでの会話一覧です。 【 】の中には名前が入ります。 ※表情の略式は表情サンプル一覧を参考にしています。 【1ページ】 【2ページ】 【3ページ】 【4ページ】 【5ページ】 new↑old↓ 2014/02:ジュエリーイベント 2014/02:バレンタインイベント 2014/01:サイバーイベント 2014/01:賀正!お正月イベント 2013/12:ホーリークリスマスステージ 2013/12:戦国イベント 2013/11:職場体験イベント 2013/11:銀河鉄道イベント 2013/10:ハロウィンナイトパーティーイベント 2013/09:フェアドルと不思議なおもちゃ箱イベント コメント ジュエリーイベント シラス特製映写機で映画会! 不思議な世界に迷い込む!? サファイアの街 ルビーの洞窟 ラピスラズリの街道 ガーネットの坑道 エメラルドの谷 ダイアモンドの古都 要宝石を使ってお家に帰ろう! 元の世界へ!! すれ違い ▲ページTOPへ バレンタインイベント バレンタインパーティーのお誘い どんなチョコを作ろうか? 材料を買いに行こう! 調理開始! 最後の仕上げ! パーティー会場! みんなでゲーム大会! みんなとチョコ交換 貰ったチョコを食べよう 想いのこもったプレゼント すれ違い 調理編 シナモンを入れる ブランデーを入れる キャラメルを入れる 塩を入れる ワサビを入れる パーティー編 一緒に食べよう! あーんしてあげる お返しをあげよう! お家で食べよう! よこどりする ▲ページTOPへ サイバーワールド!フェアリーマトリックスイベント 体験会への招待状 会場に到着! サイバーワールドを歩こう バイクに乗ってみよう レースに参加しよう システムエラー発生!? 原因を探そう MPDが出現! MPDの暴走を止めよう ログアウト! すれ違い ▲ページTOPへ 賀正!お正月イベント お正月到来! 神社に行こう! 神社に到着 お参りしよう おみくじを引こう お汁粉を食べよう 餅つき大会に参加しよう お餅を食べよう 神社の催し物を回ろう お家に帰ろう すれ違い ▲ページTOPへ ホーリークリスマスステージ 今年のクリスマスは… 仲介所到着 巨大ツリーに飾り付け リハーサル! 本番前半戦! 本番後半戦!! お疲れ様のクリスマスパーティ! 大プレゼント交換会 雪だるまを作ろう! お家に帰ろう 他のフェアドルとすれ違った! ▲ページTOPへ 戦国イベント 会場挨拶 相手チームと対峙 仲間を助けよう! 作戦会議 結果発表 皆でBBQ! すれ違い ▲ページTOPへ 職場体験イベント 街に出かけよう はじめの挨拶 お花屋さん体験 八百屋さん体験 アイスクリーム屋さん体験 おまわりさん体験 駅員さん体験 メイド喫茶体験 映画監督体験 おわりの挨拶 他のフェアドルとすれ違った! ▲ページTOPへ 銀河鉄道イベント 夜空を見上げよう 銀河の列車に乗ろう 星の海を眺めてみよう 列車の中を探検しよう しゃしょーしゃんに遭遇! 銀河の惑星に到着! 外に出てみよう 銀河の海賊団に遭遇! みんなで星を見よう お家に帰ろう 他のフェアドルとすれ違った! 流れ星を発見した! フェアドルの幸せを祈る みんなの健康を祈る 世界の平和を祈る お金持ちになりたい 世界征服したいな ▲ページTOPへ ハロウィンナイトパーティーイベント 会場に向かおう! 仲介所に到着! パーティーを楽しもう! マジックを見よう! 魔女のイタズラ ホールの先へ ハロウィン街を歩こう! パーティーを楽しもう! 投票結果発表 お家に帰ろう すれ違い ▲ページTOPへ フェアドルと不思議なおもちゃ箱イベント 不思議なおもちゃ箱 おもちゃの街 おもちゃの王子様 刺客出現! 共闘の誓い 作戦会議! ドールマスターの城 決戦! 祝杯を挙げよう! もとの世界に戻ろう すれ違い ▲ページTOPへ コメント一覧 名前 コメント すべてのコメントを見る (c)Ambition
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/324.html
637 名前:京×和 第5話 すれ違い[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 19 57 43 ID O26KjWVn0 それでは今日の分を投下します どうぞ 翌朝 クラスメイトA「おはよう須賀」 京太郎「おうおはよう」 クラスメイトB「おっす!須賀」 京太郎「おう」 和(あ・・・須賀君だ・・・)「おは・・・」 優希「おはようだじぇ~のどちゃん!!!」 ドンッ 和「優希・・・おはようございます・・・」 優希「おう今日もいい天気だじぇ~」 和「ええ・・・」 優希「そういえば今日提出の現文の課題見せてほしいじぇ~」 和「別に構わないですよ」 優希「ありがとうだじぇ~さすがのどちゃんだじぇ~」 和(あれ・・・須賀君は?) チラチラ 和(もう行っちゃいましたか・・・) 638 名前:京×和 第5話 すれ違い[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 19 58 26 ID O26KjWVn0 京太郎(最近和といい感じだな~このまま最後までいけたらな~) クラスメイトA「おい須賀お前昨日原村と一緒にあのケーキ屋にいただろ?」 京太郎「ああそうさ」 クラスメイトB「おいマジかよ・・・なんかの見間違いなんかじゃないのか?」 クラスメイトA「でも本人が認めているんだから間違いないだろ・・・」 クラスメイトB「で・・・それどこ情報だよ」 クラスメイトA「昨日あの店に行った奴に聞いたんだよ・・・ それよりお前原村の事どう思ってるんだよ?」 京太郎「どうって・・・まあ同じ部活の奴だけど・・・」 クラスメイトA「ぶっちゃけ付き合っちゃえば」 クラスメイトB「でもお前宮永とも仲が良いよな・・・ お前宮永と原村どっちがいいんだよ!!!」 京太郎「それは・・・」 咲(じぃーーーーーーーーーーーーーーー) 京太郎(咲は妹みたいなもんだけど和は・・・) 咲(うる・・・うる・・・) 京太郎「そんなの言える訳ないだろーーーーー 次は美術だから早く行こうぜ!!!」 咲「京ちゃん美術室まで一緒にいこうよ」 ぎゅっ 京太郎「おい咲腕なんか組むなよ・・・恥ずかしいだろ・・・」 咲「いいじゃん別にさあ早く行こうよ!!」 639 名前:京×和 第5話 すれ違い[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 19 59 22 ID O26KjWVn0 咲「♪~」 京太郎(咲の奴やけに上機嫌だな・・・なにかあったのか?) 咲「♪~えいっ」 むにゅ 京太郎(今俺の腕に咲の・・・柔らかい感触が・・・ 咲ってこんなに胸大きかったけ? あいつ貧乳というイメージしか・・・) 優希「あれ・・・咲ちゃんと京太郎じゃないか?」 和「ええそうですね」 優希「お~い咲ちゃ~んきょ~たろ~」 咲「あっ原村さんに優希ちゃん」 タッタッタッタッタ 優希・和(!!!!!!!) 優希(咲ちゃんが京太郎と腕組んでるじぇ~ うらやましいじぇ~くそ~) 和(宮永さんと須賀君が・・・そんな・・・) 京太郎(やべっ和に腕組んでるとこ見られた・・・) 咲「あれ優希ちゃんに原村さん二人は今何をしてるの?」 和「いっ移動教室から帰る途中です・・・宮永さん達は?」 咲「私達は美術室に行く途中だよ・・・ねっ京ちゃん」 京太郎「咲~そろそろ腕離せよ~」グイグイ 咲「いやだ~絶対離さないもんね~」 優希・和(・・・・・・・・・) 咲「あっ・・・もう時間がないからじゃあね」 タッタッタッタッタ 京太郎(ヤベー和に腕組んでるとこ見られちまったな~どうしよう・・・ そうだ!!今日の昼食の時和を誘ってレディースランチを食べよう) 640 名前:京×和 第5話 すれ違い[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 20 00 23 ID O26KjWVn0 キーンコーンカーンコーン 先生「チャイムが鳴りましたので今日の美術を終わります」 京太郎(やっと終わったぜ・・・おっと今日の昼食には和を 誘うんだった・・・早く行かなければ・・・) 咲「京ちゃん今日・・・」 タッタッタッタッタ 咲(京ちゃんそんなに急いで何処行くんだろう?) 京太郎(早く行かなければ・・・いつも和の周りをうろちょろしている タコス娘は昼食の時間になるとタコスを買いに和の傍を離れるから 誰にも邪魔されずに和と昼食を食べるにはタコス娘が戻ってくる前に 和を見つけて和を昼食に誘うしかない・・・) 京太郎(ハァ・・・ハァ・・・和は・・・いた・・・)「おーい和」 和「須賀君」 京太郎「今日の昼メシ俺と一緒に食べないか?」 和(えっ・・・須賀君が私と・・・)「はい構わないですよ」 和「それで何処で食べるんですか?」 京太郎「学食で食べよう」 和「はい分かりました」 京太郎(よし・・・購買部のあたりはタコス娘が出没するから そこを避けつつ学食まで行かなければ・・・) 641 名前:京×和 第5話 すれ違い[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 20 02 11 ID O26KjWVn0 和「須賀君は学食で何を食べてるんですか?」 京太郎「俺はいつもレディースランチかな・・・」 和「えっ・・・?あれって男性でも食べられるんですか?」 京太郎「いつもは咲に頼んで貰ってるけど今日は和に頼んで貰おうかな?」 和「そのためだけに私を昼食に誘ったんですか~?」 京太郎「今日は咲よりも和と一緒に昼メシを食べたかったからさ・・・ それに俺だってキライなヤツにこんな事頼みたくないよ・・・」 和(ドキッ)「もう・・・須賀君のバカ///」 京太郎「ハハハハ」 タッタッタッタッタ 優希「ゼェ・・・ゼェ・・・お待たせだじぇ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・」 和「優希・・・そんなに息を切らせてどうしたんですか?」 優希「ゼェ・・・タコスを買って来たから一緒に昼ご飯を食べようじぇ~」 和「いつもはもっとタコスを買ってくるのが遅いのに なんで今日はそんなに早いんですか?」 優希「ゼェ・・・いつもいつものどちゃんには待たせて悪いと思ったから 今日は全速力でタコスを買って戻ってきたじぇ~」 和「優希・・・そこまで気を使う必要も無いのに・・・」 優希「さあ一緒に行こうじぇ~」 咲「あれ・・・みんな・・・」 京太郎「咲・・・」 咲「私もお昼ご飯一緒していいかな~?」 和「ええいいですよ」 咲「やったー」 優希(悪い予感がしたからダッシュでタコスを買ってきて正解だったじぇ~ タダでさえあの二人は最近仲が良くなってきてるからあんまり油断が出来ないじぇ~) 咲(やっぱり京ちゃん原村さんの所に行ってたんだ・・・ 京ちゃんは原村さんの事を・・・) 642 名前:京×和 第5話 すれ違い[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 20 03 03 ID O26KjWVn0 咲「はい京ちゃんあ~ん」 京太郎「そんな恥ずかしい事出来るか!!」 咲「あ~ん」うるうる 京太郎「あ~ん・・・ぱくっ・・・うんありがとう咲」 咲「エヘヘ・・・じゃあも・・・」 優希「きょーたろーじゃあ今度はこっちを食べろー」 京太郎「またタコスかよ・・・」 優希「咲ちゃんだけ食べてこっちも食べないのはズルいじぇ~」 京太郎「分かったよ・・・食べればいいんだろ・・・パクッ・・・」 優希「食べてくれてありがとうだじぇ~ダーリン」 ぎゅっ 京太郎「おいタコス娘抱きつくな!!」 和(本当だったら須賀君と一緒にご飯を食べれるはずだったのに・・・ 私なんで須賀君とご飯を食べられない事を残念に思ってるんでしょうか?) 京太郎「おい・・・和大丈夫か・・・さっきまで上の空だったけど・・・」 和「いえ・・・大丈夫です・・・気にしないで下さい」 京太郎「そうか・・・」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「チャイムが鳴ったからそろそろ戻ろうぜ」 643 名前:京×和 第5話 すれ違い[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 20 04 12 ID O26KjWVn0 久「リーチ」 和(そういえば・・・須賀君は今日来てないけど一体何してるんだろう?) 久「それよ和ロン!!リーチ、一発、ホンイツ満貫よ」 和「・・・」 久「どうしたの和今日はやけにいつもの 精彩さを欠く打ち方だけど・・・ なにかあったの?」 和「いえ・・・」 久「和あなたちょっと休んでなさい・・・ まこ入ってくれる?」 和(一体須賀君は何処に・・・) 久「もう今日もこんな時間ね・・・そろそろ終わりにしましょう・・・」 京太郎「部長やっと終わりましたよ・・・」 久「御苦労さま・・・いつもいつも悪いわね」 京太郎「いえ・・・気にしないで下さい男は俺一人なんでどんどん頼って下さい」 久「フフ・・・ありがとうね須賀君」 和(須賀君はずっと雑用やってたから今日部活にいなかったんですね・・・) 咲「京ちゃん今日はお疲れ様 ねぇ一緒に帰ろうよ?いい?」 京太郎「どうせだったらの・・・」 咲「ねぇ早く早く」 京太郎「おい咲そんなに引っ張んな!!」 和(結局ほとんど今日は須賀君とは喋れませんでした・・・ でも私なんで須賀君と喋れないだけでこんなにも辛いんだろう) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/910moe/pages/1506.html
浴衣でグチョグチョ GWにうちの田舎の祭りを見ないか?とあいつから誘われた。 かなりの田舎町だし、余り面白い祭りじゃねーけどなーと言われたが 画一的な団地育ちの俺には、田舎の祭そのものが未知の領域だ。 今の時期だと、田植えの祈願祭で、地元の乙女があぜ道で 豊作祈願を謳うのだろうか、それとも神社で祈願祭だろうか。 夜には屋台が出て、わたあめとかイカヤキを食べながら祭り見物だろうか。 やっぱりここは、浴衣がいるよなあ。 ワクワクして浴衣を着用して見に行った祭りはすごかった。 田んぼの泥ぶつけ祭りだとは思わなかった。 おろしたての浴衣は、泥にそまってしまった。 いや、それよりも。 村の外からのいけにえとやらは、普通女がなるものじゃないか? 浴衣は泥だらけだが、浴衣の下はもっとどろどろにされた。 田舎町は恐ろしいところだった。 浴衣でグチョグチョ
https://w.atwiki.jp/mikumirai/pages/22.html
PVコメント機能すれ違い通信 テキストコメント ピクトコメント PVコメント機能 PVシアターで書き込んだコメントは、すれ違い通信で交換できる すれ違い通信 オプション画面で「コメント交換」をONにした上で、最低1曲にコメントを書き込んでおくとすれ違い通信されるようになる 自分がコメントをしていない曲のコメントも受信できる 送信されるコメントはランダムに選ばれる一度に送信されるコメントは、自分がコメントしている曲の中から最大10曲ランダムに選出され、各曲1コメントまで(合計10コメント) 同じ人とすれ違い、既に受信しているコメントを再受信してもコメントは追加されない 相手がどのコメントを受信しているかはチェックしていないため、受信していないコメントがあったとしても送信されるかどうかはランダムで決まる テキストコメント PV鑑賞中に書き込み可能。1コメント16文字まで、数字は利用に制限あり。@は利用不可能。 コメント色変更100ミラポ 赤・オレンジ・黄・緑・水・青・紫・灰 コメントサイズ変更100ミラポ 小さく 200ミラポ 大きく コメント位置指定100ミラポ 上端固定・下端固定 200ミラポ 自由設定 ピクトコメント PV鑑賞中に書き込み可能。1コメント8枠まで。通常の文字の入力は出来ない。800ミラポのピクトコメント(バナーピクト)は8枠全て利用する。 200ミラポ 全64種(マスターブックには67種記載されているが誤り) 800ミラポ 全21種、各PV毎に1種ずつ存在しコメント入力のために1000ミラポ利用した後即解禁(解禁後は全PVで使用可能) ピクトコメント位置指定100ミラポ 上端固定・下端固定 200ミラポ 自由設定